唯一の女性銭湯絵師が描く「西郷隆盛と勝海舟」 東京・大田区

唯一の女性銭湯絵師が描く「西郷隆盛と勝海舟」 東京・大田区

唯一の女性銭湯絵師が描く「西郷隆盛と勝海舟」 東京・大田区の画像

 今から150年前に、日本が江戸から明治へと変わった象徴的な出来事の一つに、江戸城の明け渡しがあります。この立役者である西郷隆盛と勝海舟が、ゆかりの地である東京・大田区の銭湯に描かれました。

 日本で唯一の女性銭湯絵師・田中みずきさんは、2016年に大田区内の銭湯にゴジラを描いて話題を呼びました。その田中さんが今回、絵を手掛けたのは、80年以上にわたって地域の人たちに親しまれてきたレトロな面影を残す銭湯、「大正湯」です。絵を描くキャンバスは縦2.8メートル、横3.7メートルの銭湯の壁です。ここに、今や全国に3人しか残っていないという伝統の「銭湯絵師」によって雄大な景色が描かれるのです。田中さんは「描く瞬間は無心。あまり何も考えていない。一心不乱に絵のことだけを考えて動いている。(絵が完成して、銭湯の)営業が始まったら、どんな反応あるかなとは考える」と語ります。

 はけとローラーを巧みに使い分け、時に豪快に、時には繊細に描く技術は、まさに職人芸です。およそ20時間をかけて、男湯はりりしくそびえ立つ西郷隆盛と鹿児島の桜島が、女湯は勝海舟と大田区のシンボルの一つである洗足池が描かれました。

 ことしは明治維新から150年の節目であることから、新政府側の西郷隆盛と旧・幕府側の勝海舟が大田区の池上本門寺で会談し、江戸城を徳川幕府から新政府に明け渡したことにちなんだ作品です。また、区内には勝海舟夫妻の墓があり、2019年夏には日本初となる「勝海舟記念館」が開館するなど、勝海舟の足跡を地域の宝として残そうとしています。大田区・産業経済部の飯嶋清市部長は「両雄が対面をした銭湯絵を見てもらい、日本の150年の目まぐるしい歴史や発展を、銭湯につかりながら歴史にもひたってもらえれば」と話しています。

 勝海舟と西郷隆盛の銭湯絵は12月28日まで見ることができるということです。