【今日の一冊】未来をつくる起業家 vol.2

レビュー

スタートアップや起業家と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、シリコンバレーのような求心力のある土地に集まる、情熱に燃える若者たちの姿ではないだろうか。起業支援は今や世界的な流れとなり、日本もその例外ではない。日本の起業家たちの成功ストーリーは、数多く語られるようになってきた。だが、失敗を含むリアルな体験談が広く共有される機会はまだまだ少ない。
著者のケイシー・ウォールは、前作の『未来をつくる起業家』では、日本の起業家たち自身の言葉による成功談と失敗談をまとめ、大きな反響を呼んだ。日本にも起業家精神を浸透させようという思いは一貫している。現在は、スタートアップの立ち上げに挑戦する若き女性を描いた映画をプロデュースしており、2018年下旬に公開予定だという。
続編となる本書では、起業家たちの失敗談が削られることのないように、前作以上に工夫を重ねたという。その甲斐あって、起業で直面するであろうさまざまな障害に対し、克服の道筋が臨場感たっぷりに、詳しく描かれている。起業検討中の方にとって「まさにこんな情報がほしかった」と思う内容ばかりだ。クラウドファンディングのデメリットや、仲間集め、創業から大企業の経営者となるまでの変化など、具体例は枚挙に暇がない。こうした困難を乗り越えて理想を語る起業家たちの姿勢は、読者の仕事観に大きな希望を与えてくれるだろう。起業への一歩を踏み出したいと考えているならば、前作と合わせ、ぜひ読んでおきたい一冊である。

本書の要点

・良いビジネスとは、よいものをつくるだけではなく、よいストーリーがあり、よい人が集まり、よいお金が循環することによって成立する。
・めざすビジネスを成し遂げるには、社会におけるビジョンとミッションを明確にし、自分と会社や従業員の成長に重きを置くことが必要だ。
・スタートアップにとって重要なのは、売上へのこだわりであり、リソースがない中でもきちんと収益を出すことである。



未来をつくる起業家 vol.2
ケイシー・ウォール (クロスメディア・パブリッシング)

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