【今日の一冊】組織にいながら、自由に働く。

レビュー

本書の著者の肩書きは、きわめて珍しいものだ。楽天の正社員でありながら、兼業自由、勤怠自由の立場にある。そのうえ、自分の会社を経営しているだけでなく、横浜F・マリノスとプロ契約までしていたという。「ふつうの働き方」をしている人にとっては、どこの世界の話なのかと面食らうこと必至だ。
いったいどんな働き方をしているのか――そう思って本書を読むと、やはり常識外れとも思えるような働き方をしている。しかし読み進めるうちに、著者のような働き方など夢物語にすぎないのではないかという思い込みは、見事に崩れることとなった。そして本書はきっと「自由な働き方」を求める読者にとってのすばらしいガイドになるだろうと確信した。なぜなら、著者のような自由な働き方を実現するための道のりやノウハウが明瞭に語られていたからだ。
著者は、自由に働くための方法論を「加減乗除の法則」と名付けている。その方法とは、働き方を4つのステージに分類し、「加」のステージからはじまって「除」のステージをめざすというものだ。本書では、それぞれのステージにおいてやるべきことは何か、そしてどうすれば次のステージへとステップアップできるのかが、著者の実体験を交えて詳細に説明されている。
おそらく「除」のステージにたどり着くには相当の時間がかかるだろう。しかし、心配無用だ。本書が「自由な働き方」を求めるすべての読者にとって、「除」のステージにたどり着くための灯台のような存在となってくれるに違いない。

本書の要点

・働き方には、「加減乗除」の4つのステージがある。最終形態である「除」こそが自由な働き方の理想形だ。
・「加」のステージでは、仕事の難易度をチューニングしながらできることを増やしていく。
・「減」のステージでは、「やりたくて、得意で、喜んでもらえる仕事」だけを選び、強みを磨く。
・「乗」のステージでは、メインの強みで突き抜けるとともに、自分の強みと他者の強みを掛け合わせる。
・「除」のステージでは、メインの強みを軸として複数のプロジェクトを同時進行させる。



組織にいながら、自由に働く。
仲山進也 (日本能率協会マネジメントセンター)

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