【今日の一冊】すごい物流戦略

レビュー

物流に携わっているのは宅配業者だけではない。すべての企業活動が物流によって支えられている。そして今、多くの人が物流の重要性に気づき始めている。ドラッカーは、1962年にすでに「ロジスティクスは最後の暗黒大陸だ」と語っていたという。それから半世紀が経ち、「物流を制する者が市場を制す」とまで言われるようになった。かつて物流はコストとして削減の対象だったが、現代の戦略的物流思考ではこれをプロフィットセンターと捉え、競争力を高める手段だと考えられている。
いち早く物流の重要性に気づき、大きな成長を遂げてきた企業は、どのような取り組みを行なってきたのか。私たちはそこから何を学び、変わり続ける市場に対して何をすればいいのか。本書はそのような疑問に応え、アマゾンをはじめとする一流企業の最新の取り組みを紹介している。著者、角井亮一氏は、物流コンサルタントとして常に業界の動向を追いかけてきた人物だ。毎年米国に最低30日間、東南アジアに10日間訪れ、定点観測をしているという。著者の知見に触れることは、物流を学ぶ上で非常に役立つだろう。
本書で角井氏が提案する物流戦略の4C(Convenience、Constraint of time、Combination of method、Cost)は一読の価値がある。最先端をいく企業の事例を学び、4Cをもとに考えれば、勝てる物流戦略が見えてくるに違いない。

本書の要点

・最大手EC企業、アマゾンは、物流企業でもある。最短1時間での配送を可能にする「プライムナウ」、生鮮宅配の「アマゾンフレッシュ」では、自前の配送システムを構築している。
・ニトリは「お、ねだん以上。」を実現するために、「製造物流小売業」という、商品企画から製造・物流・販売までを一貫して自社でプロデュースするモデルを構築している。
・物流業界において、ECと実店舗の融合は大きなテーマだ。ZARAでは、商品の展示と試着に特化した店舗を作るなど、積極的に経営資源が投資されている。



すごい物流戦略
角井亮一 (PHP研究所)

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