【今日の一冊】マクルーハンはメッセージ


マクルーハンはメッセージ
服部桂 (イースト・プレス)


レビュー

メディアとは、辞書的な意味を述べると「新聞やテレビ、ラジオなどの情報媒体」となる。今の時代なら、代表格としてインターネットが加わるだろう。ところが、メディア論の大家、マーシャル・マクルーハンが提示したのは、極めて広範囲なメディアの世界だった。マクルーハンにとっては、メガネや電話、衣服でさえメディアである。それぞれ人間の視覚、聴覚、皮膚という身体を拡張するものとして捉えているのだ。
時代をさかのぼって、活字メディアの大革命といえば、誰しもが口を揃えてグーテンベルクの活版印刷を挙げるだろう。この新しいメディアが当時の社会に与えた影響は計り知れない。新しいメディアはいとも簡単に社会のルールを崩壊させ、新たな構図を生み出すことがある。例えば、携帯電話の誕生により広がった波紋は、海外の王室にまで忍び込んだ。新しいメディアの誕生が貴族社会を成立させているルール、ひいては権威すらも危うくさせていく――。こうした事実を露呈したのは、実に興味深い。
ではメディアとはいったい何なのか。また「メディアはメッセージである」というマクルーハンの言葉は、何を意味するのか。マクルーハン独自のアプローチでメディアについて考えを深めてみると、その本質が次第に明らかになる。それは例えば、なぜヒトラーがあれだけ大きな支持を得たのかを、メディアの観点から考察することも可能にする。インターネット全盛期の今だからこそ、マクルーハンの探究の軌跡は新鮮さを帯びている。ぜひ堪能いただきたい。

本書の要点

・「メディアはメッセージである」。これはマーシャル・マクルーハンの最も有名な言葉である。メディアとはコンテンツ自体ではなく、それを成立させている背景を指す。
・マクルーハンにとってメディアとは、視覚や聴覚などの人間の身体を拡張するものすべてをいう。
・メディアと権力は密接に関連し合い、通常は社会組織のルールに則って利用される。しかし、携帯電話などの新しいメディアは、時として社会的な空間構造を破壊する。
・インターネットの普及は一消費者を企業と対等たらしめ、さらには、その立場を逆転させた。

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