【今日の一冊】経営戦略原論


経営戦略原論
琴坂将広 (東洋経済新報社)


レビュー

なんと意欲的な作品だろうか。経営戦略における実務と理論を論じて、双方を結びつけ橋渡しをする――。そんな壮大なビジョンが体現された一冊が登場した。本書を読めば、社会科学としての経営戦略を理論的に習得して、それを実学の経営戦略として活用する方法を身につけられる。
著者は、経営戦略の歴史を紐解き、有史以前から現在に至るまでの経営戦略の発展と進化を、体系的に取り上げている。重点が置かれているのは、理論の相互のつながりを読み解くことである。たとえば、ボストン コンサルティング グループが開発した成長/市場シェアマトリックス、マイケル・ポーターのファイブ・フォース分析、ジェイ・バーニーの資源ベース理論など、経営戦略史上、避けては通れない重要な理論が目白押しだ。
実務に経営戦略を活かすために、事業戦略と全社戦略をどのように立案すればいいのか。そして、その戦略をいかに実行して、組織内に浸透させていくべきか。著者ならではの見解も、読みごたえがある。中でも、事業戦略の立案に戦略ポートフォリオを活用する「理解」、「判断」、「行動」の3つのステップは、大いに参考になる。経営者や管理職をめざす方にとって役立つ内容ばかりだ。既に経営戦略を学んだ方も、その理解をいっそう深められるにちがいない。
本書を経営戦略の見取り図として、何度もお読みいただきたい。

本書の要点

・経営戦略とは、「特定の組織が、何らかの目的を達成するために、外部環境分析と内部環境分析から作り出した道筋」である。
・戦略フレームワークを選択するときは、自社が置かれている経営環境、内部環境を認識すべきだ。戦略フレームワークを活用するには、「理解」、「判断」、「行動」の3つのステップを踏む必要がある。
・全社戦略を立案する上で、実務的な視点から必要となる要素は、「組織ドメインの定義・周知・更新」、「全社機能の戦略検討」、「事業領域の管理・再編」、「監査・評価・企業統治」の4つである。

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