【今日の一冊】誰がテレビを殺すのか


誰がテレビを殺すのか
夏野剛 (KADOKAWA)


レビュー

インターネットの発展がここまでテレビを追いつめているのか。その凄まじさを感じさせる作品だ。ネット広告の売上額は、テレビ広告の売上額に迫り、動画サイトの登場がテレビの独壇場を崩してきた。多くのしがらみに自縄自縛になっているテレビを横目に、ネット空間には自由な世界が広がる一方だ。技術革新によるネット配信スピードの改善などにより、ネットは映像コンテンツのビジネスを伸長させている。逆にいえば、経営面、技術面、人々の嗜好などの変化が、テレビの将来を視界不良にしている。
テレビのメインの視聴者は60代〜70代だ。テレビ局はこうした層に受け入れられやすい番組作りを重視してきた。しかし、著者も指摘するように、2015年に70歳だった人は2025年には80歳になる。それを考えると、こうした世代のウケ狙いにばかり走るわけにはいかないのは自明だ。2018年のいま、残された時間は確実に短くなっている。
テレビ局が生き残るには何が必要なのか。著者の主張は、テレビ局が映像コンテンツ総合制作会社になるべきだというものである。その核心は、テレビ、ネットという枠を超えて、各方面に自由にコンテンツを提供できるようになる必要があるということだ。
肝心なのは、テレビ局、特にその経営陣が発想転換できるかどうか。相当の覚悟が必要で、場合によっては痛みも伴うであろう。そうした業界の構造改革が断行できるかどうかが問われている。その打開策の数々を知ることは、他の業界のビジネスパーソンにとっても、非常に有意義であるはずだ。

本書の要点

・ネットの存在は急速に人々の生活に浸透した。中でも動画サイトの登場は、テレビを脅かす存在として意識されている。
・スマホの浸透は人々の時間の使い方に変化をもたらした。様々なコンテンツが生まれることで、人々の時間の奪い合いになっており、テレビは大きな影響を受けている。
・テレビ視聴のメインターゲットは、60歳以上の人たちだ。2015年に70歳だった人は25年には80歳を迎える。テレビ局は番組の作り方、編集の仕方を抜本的に変えていく必要がある。

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