【今日の一冊】暗闇でも走る


暗闇でも走る
安田祐輔 (講談社)


レビュー

発達障害、うつ、ひきこもり、DV、家庭崩壊……「生きにくさ」の原因を、いくつも抱えてきた著者。生まれもった環境は、自分ではどうにもならないものだ。しかし何度人生に絶望しても、彼はそれだけでは終わらなかった。この地獄から脱出したい、幸せになりたいという願いを強く抱き、事業を立ち上げた。そして暗闇の中にあっても、何度でもやり直せるという思いを伝えるため、本書を執筆した。
いまの日本では、うつ病やひきこもりなど挫折を経験した人、勉強する意味や働く意味に悩む人が少なくない。著者自身、家庭や学校に信頼できる人のいない状況から、友人を得て人に感謝できるようになるまでには、血のにじむような努力を必要とした。だが最終的には自分のミッションに巡り合った。そうした経験が、現在の原動力となっているという。
本書は困難を抱える人々に、暗闇で絶望しないコツと人生をやり直す勇気を与えてくれるだろう。暗闇のまっただ中で一歩も動けなくなったとき、どうしようもない困難にぶつかったとき、寄り添ってそっと背中を押してくれるはずだ。
これはただのサクセスストーリーではない。人生への希望を捨てずに走りつづけ、現代の日本で本書を発表してくれた著者に感謝しながら、噛みしめるようにして読みたい一冊である。

本書の要点

・努力はどんな願いでも叶うわけではないが、過去の自分よりも成長した気分にさせてくれる。とくに勉強や進学は成果がわかりやすく、若者にとって困難から脱出するきっかけとなりうる。
・人生をやり直すためのコツは2つある。1つは「こうじゃなきゃいけない」という思い込みを外すこと、もう1つは自分で変えられるものだけに注目することである。
・大きな挫折経験は、のちの自分を形作る「物語」となる。他人の評価軸ではなく自分の「物語」に沿って、何が自分の幸福なのかを見定め、自分の納得する道を選ぶことが、幸福につながる。

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