【今日の一冊】破壊者


破壊者
松浦勝人 (幻冬舎)


レビュー

学生時代に経験したレンタルレコード店の運営。それが著者のビジネスの原点だった。そこからどのようにしてビジネスを成長させていったのか――著者の音楽に対する思い、仕事に対する姿勢、人生観などが本書にはぎっしりと詰まっている。
本書のスタイルは少々変わっている。著者はこれまで毎月1回、8年7カ月にわたって、雑誌『ゲーテ』の連載でその時々の想いを話してきた。その103の「ひとりごと」を結集させたのが本書だ。著者自身は、読者に向かって話しているようでいて、実は自分自身に対して自問自答していたのだと振り返っている。古いものは2009年に書かれており、今とは考えが異なる部分もそのまま収録されている。
著者が浜崎あゆみ、倖田來未、EXILEなど、ヒットを連発するアーティストたちを生み出せたのは、いったいなぜなのか。本書からは、その理由が垣間見える。著者と要約者、身を置く業界は違えど、本書から学ぶものは期待していた以上に多かった。
その一つが「俺ならこうする」という発想だ。すでに成功している人と違うことをするのは、得てして及び腰になるものだ。しかし著者は、周囲に流されたり同調したりすることがない。自分の感性を信じ、自分の頭で考えて行動する。その結果がエイベックスなのだ。
プロフェッショナルとして自分を高みに引き上げたいと考えている読者に、自信を持っておすすめしたい。

本書の要点

・大学時代に経験した小さなレンタルレコード店の店舗運営が、著者のビジネスの原点だ。その経験があるからこそ、お客さんの感覚を身体で感じ取れる。
・著者は、その人と真正面から向き合い、思ったことは何でも口に出す。その背景には、自分を印象づけたいという気持ちがある。失礼なことをすることもあるが、それは相互理解があってこそだ。
・若い頃とは違い、著者に見栄はなくなった。しかし相手への気づかいは忘れない。レストランに行けば、売り上げを期待されていることを感じ取ってワインやシャンパンを注文するし、決してドタキャンはしない。

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