【今日の一冊】銀行員はどう生きるか


銀行員はどう生きるか
浪川攻 (講談社)


レビュー

銀行はいま、激変期を迎えている。三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、そしてみずほフィナンシャルグループの3メガバンクグループが大量の人員削減を発表したことは、記憶に新しいだろう。これまで安定の代名詞のような存在であったメガバンクがようやく重い腰を上げたのは、変革しなければ生き残れない危機的状況に来ているとの認識を持ったからである。
リーマン・ショック以降、アメリカの銀行は顧客から見放されて信用を失った。そのうえ、フィンテック(financial technology/金融とIT技術の融合)企業の台頭により、変革することを余儀なくされた。こうした流れにより、米国や欧州の銀行は工夫を重ね、銀行店舗を劇的に変化させたのだ。邦銀もまた米銀と同じ道を辿るとするならば、米国や欧州の銀行を見習って、業務効率化と同時に顧客サービスの質的向上を目指していくしか生き残る術はない。それは地方銀行などの金融機関でも同じである。
かつて銀行は、安定企業として学生の就職ランキングのトップに君臨していた。しかしそんな時代はすでに終焉を迎えている。銀行員は、安定を求める人が選択する職業ではなく、自分の可能性にチャレンジするような職業へと変貌を遂げようとしているのだ。やりがいを重視するならば、銀行員は今以上に魅力的な職業となっていくだろう。

本書の要点

・日本の銀行の経営環境は悪化の一途をたどっている。日銀によるマイナス金利政策やフィンテック・プレーヤーの出現がその一因となっている。
・デジタル技術を活用した業務効率化が実行されると、玉突きで人事異動が起き、大規模な配置転換が起きるだろう。
・米国の銀行では、日本よりも先にビジネスモデルの変革が起きている。邦銀は、業務効率化と顧客サービスの質的向上を目的とした米国の業務改革に学ぶべきである。
・フィンテック・プレーヤーに打ち勝つためには、顧客とのリレーションの構築・強化に力を注ぐべきである。

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