【今日の一冊】TRUST


TRUST
レイチェル・ボッツマン (日経BP社)


レビュー

<信頼>が今、ひとつのキーワードになっている。その認識は、誰もが持っているのではないだろうか。
「わたしたちは今、人類の歴史の中で3度目の、もっとも大きな信頼の革命の入り口に立っている」――著者はそう仮説を立てている。信頼の歴史は、「ローカルな信頼」から中央集権的な「制度への信頼」へと変遷したのち、昨今では「制度への信頼」が根本から揺らぎ、「分散された信頼」がそれに取って代わろうとしているという。その移ろいを「革命の入り口」と表現したのだ。
著者は10年にわたって、製品やサービス・情報を多くの人に届ける方法を根本的に変えるようなネットワークやマーケットプレイス、システムを研究してきた人物だ。本書はそんな著者がウーバーやアリババ、エアビーアンドビーの事例を取り上げ、デジタル時代の<信頼>について語った力作である。本書を読めば、私たちがカオスと混乱の時代の淵に立たされていて、「分散された信頼」という新たな信頼への変化に立ち会っていることを理解できるはずだ。
著者は、分散された信頼の時代では、「誰をどう信頼するのか」が問われることになると主張する。人工知能(AI)やロボットから中国の国民格付けシステム、ブロックチェーンまで、最新のテクノロジーやシステムとどのように付き合っていくべきか、信頼の観点からヒントを得ることができるだろう。

本書の要点

・中国のビジネスでは、信頼が重要だ。アリババの創業者ジャック・マーは、買い手に売り手を信頼させ、ものを買わせるために、売り手の認証制度を設けた。認証を受けた売り手への問い合わせは、未認証の売り手よりも6倍多かったという。
・人は、アイデアを信頼し、プラットフォームと企業を信頼し、個人を信頼するという順に新しいビジネスへの信頼を深めていく。
・中国政府は、国民の信用力を格付けするシステムを開発中だ。すでに数百万人が登録しており、信用履歴、履行能力、個人的な特徴、行動と嗜好、人間関係の5つの要素から人間を格付けする仕組みになっている。ランクが高い人には、さまざまな特典が提供される。

flier(フライヤー)で続きを読む<AD>

フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に1,500タイトル以上の要約を公開中です。@niftyニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。