【今日の一冊】 コンビニ外国人


コンビニ外国人
芹澤健介 (新潮社)


レビュー

いまや私たちの日常に欠かせぬインフラとなったコンビニ。その店舗に起きている変化にお気づきだろうか。
近年、コンビニでは多くの外国人が働いている。全国のコンビニで働く外国人は、大手3社だけでも4万人を超えた。全国平均で見るとスタッフ20人のうち1人は外国人という数字である。こうした状況の背景には、コンビニ業界が苦しむ深刻な人手不足がある。
これはコンビニに限った話ではない。スーパーや居酒屋、牛丼チェーンをはじめ、深夜の食品工場や宅配便の配送センター、工事現場や地方の農家、漁業現場、介護施設など、じつにさまざまな場所で多くの外国人が働いている。好むと好まざるとにかかわらず、私たちの生活は彼らの労働に依存しているのだ。
本書は“コンビニで働く外国人”という、おそらくもっとも身近な外国人労働者に焦点をおいたルポルタージュである。さまざまな角度から外国人労働者の生活と就労の実態を見ることで、日本社会の実相や課題を見事に浮き彫りにしており、その手腕は見事の一言だ。また外国人労働者に関する制度や人口動態などマクロな状況を提示しつつ、外国人労働者だけでなくその雇用者、地域住民など、多くの生の声を紹介している点も秀逸である。
日本における外国人労働問題を知りたければ、この本を手にとってみてほしい。これ一冊でかなり理解が深まるはずだ。


本書の要点

・留学生のアルバイトは「週に28時間まで」が法定の上限だ。しかし実際にはこの上限を超え、不法就労せざるをえない留学生が多い。
・日本への渡航に際し、多くの留学生が高額な借金を抱えている。一方で日本経済の現場は人手不足に苦しんでいるため、外国人労働者への期待が大きい。こうした経済・社会的背景が、不法就労の発生に繋がっている。
・近年、日本語学校が乱立・急増しており、教育機関としてのレベルの低下が懸念されている。現に人材派遣業化した一部の日本語学校で、組織ぐるみの不法就労助長や、留学生への人権侵害、経済的搾取が発生している。


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