【今日の一冊】人と組織の「アイデア実行力」を高める OST(オープン・スペース・テクノロジー)実践ガイド


OST(オープン・スペース・テクノロジー)実践ガイド
香取一昭,大川恒 (英治出版)


レビュー

OSTとは、「オープン・スペース・テクノロジー」の略であり、組織開発のワークショップの手法の1つ1つである。オープン・スペースは「(対話の)広場」、テクノロジーは「(対話の)技術」を意味している。
著者らのOSTの定義はこうだ。「実行したいアイデア・解決したい課題・探求したいテーマを参加者が提案し、それに賛同する人が集まって話し合うことにより、具体的なプロジェクトを生み出したり、テーマについての理解を深めたりするためのワークショップ手法」である。
近年、ワールド・カフェやフューチャーサーチなど、参加者の自主性を重視したワークショップが頻繁に行われるようになってきた。そうしたワークショップは、人々の思考やものの見方を解きほぐす場として機能し、大いに盛り上がる。しかし、具体的な行動やプロジェクトにはなかなか結びつかない。そんな課題が長らくあった。OSTは、そこに風穴を開ける可能性を大いに秘めている。
著者らによれば、本書の主旨は大きく次の2点にある。1つは、OST実施のポイントを具体的に整理・体系化して提供すること。もう1つは、OSTがリーダーシップを生み出す場としても機能するという、著者ら独自のコンセプトを提起することである。特に後者は、今後の組織のマネジメントのあるべき姿について、非常に示唆に富んだ提案であるといえよう。未来のリーダーのインキュベーターOST。その全体像を学ぶのにうってつけの一冊として本書をすすめたい。


本書の要点

・OST(オープン・スペース・テクノロジー)を開催するにあたり、ファシリテーターは目的を明示し、参加者の理解と共感を促す。
・参加者は、目的に関連して話し合いたいテーマを自由に出し合い、分科会を自主的に運営する。そのなかから自己組織的にリーダーが生まれ、チームとしての実践につながっていく。
・OSTのファシリテーターの態度や振る舞いは、リーダーシップを生み出す組織運営のあり方に大きな示唆を与える。OSTは未来のリーダーの孵卵器として大きな可能性を持っている。


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