【今日の一冊】 逃げる力


逃げる力
百田尚樹 (PHP研究所)


レビュー

「逃げる」という言葉には、どうしてもネガティブなイメージがつきまとう。逃げる人は辛抱がない、根性なしだと評価されてしまうことも少なくない。しかし、ブラック企業で働いている場合やストレスフルな人間関係に悩まされているとき、天災や軍事衝突の危機に陥ったときはどうだろう。むしろ積極的に逃げるべきであることは、言うまでもない。
2016年に人気を博したテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。この言葉はハンガリーのことわざで、「恥ずかしい逃げ方だったとしても生き抜くことが大切」という意味だという。著者、百田尚樹氏はこの言葉を、死んだほうがましだと思うほどに追い込まれている人に届けたいと語る。
人は追い詰められると思考力が低下して逃げるという選択肢が頭から抜け落ち、現状に耐えるか死を選ぶかという2択になってしまうものだという。そうした状況に陥ってしまう前に、「逃げる」という判断を下さねばならない。
逃げることは容易ではない。多くの人は「逃げてはいけない」と刷り込まれてきているし、逃げることによって失うものもあるからだ。それでも本書は、「積極的逃走」を勧める。命や健康、家族といった大切なものを守るために、逃げるという選択をするのだ。理不尽にも苦境に立たされている人が本書を読めば、心が軽くなること請け合いだ。「逃げて良かった」と思える日が、きっと来る。そう信じて一歩を踏み出してほしい。


本書の要点

・人生には「逃げなければいけない」局面がある。可能性がない戦いからは、何もかも失ってしまう前に撤退すべきだ。
・負ける経験をしていないと、敗北に向き合えない。若いうちに敗北をたくさん経験し、負けることに免疫力をつけておくべきだ。
・逃げる決断ができなければ、徹底的に損得勘定で考えてみよう。そうすれば、合理的な判断を下せるようになる。
・戦うか逃げるかを決めるためには、幸せの絶対的基準を持つ必要がある。幸せの絶対的基準が確立していないと、自分の生き方に対する判断を下すことができない。


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