【今日の一冊】「複業」の時代 マルチプル・ワーカー


マルチプル・ワーカー
山田英夫 (三笠書房)


レビュー

「副業」と聞いて、どんなイメージを抱くだろうか。会社員が本業の合間に行うアルバイトをイメージする方もいるかもしれない。本書では、そうした副収入的な位置づけの「副業(Side jobs)」よりも、自己実現の手段としての「複業(Multiple jobs)」に力点が置かれている。そして、複(副)業を取り巻く現状と今後の課題、個人・企業への提言が非常にわかりやすく述べられている。
終身雇用の崩壊により、もはや「大企業に入れば一生安心」という時代は過去のものとなった。個々人にキャリア設計が求められる今、いわゆる「普通のサラリーマン」も、複(副)業について真剣に考えるべきだろう。
また「働き方改革」の一環として、残業時間削減が推進されるのと同時に、企業の副業解禁が注目されている。副業解禁が会社側にもプラスになっている事例も増える一方だ。本書では、ロート製薬、ソフトバンク、サイボウズなどの事例が紹介されており、導入の経緯や効果など実に学びが多い。
少子高齢化による人材獲得競争、人生100年時代の老後の生活――。複(副)業はこうした問題を解決し、企業と個人がwin-winの関係を築くためのカギとなるだろう。とりわけ著者の提言は、経営者や管理職、副業に関心のある方にとって読み逃しできない内容といえる。何より、副業などこれまで考えたこともない方にこそ読んでもらいたい一冊だ。どうか働き方のパラダイム・シフトに乗り遅れないでほしい。


本書の要点

・1つの企業に一生頼れなくなった今、副業によって収入を確保し、多様なキャリアの選択肢を持つことが重要になっている。
・厚生労働省の「モデル就業規則」でも、副業を原則容認する方針へと転換した。インターネットの普及により空間・時間的な制約がなくなり、制度的にも環境的にも副業がしやすくなりつつある。
・社会のグローバル化が進む中、究極的には個人の多様性が求められるようになる。複(副)業は個人の多様性に寄与する。
・副業を解禁する際は、組織を構成する他の要素との整合性がとれていることが重要となる。


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