【今日の一冊】 独裁者たちの人を動かす技術


独裁者たちの人を動かす技術
真山知幸 (すばる舎)


レビュー

「独裁者」という言葉から、どのような印象を受けるだろうか。民衆を虐げ、敵対するものがいれば躊躇なく排除し、恐怖で人々を支配する――そんな冷血で残虐な人間を思い浮かべるかもしれない。しかし本書の著者によれば、独裁者たちは人々を自発的に動かすために「まっとうなリーダーシップ」を発揮していたというのだ。
独裁者たちは民衆や臣下から熱烈な支持を集めるだけでなく、誤った方向へ舵を切っているときですら誰にも止められないほどの推進力を生み出す。彼らはいかにして生まれ、支持を得るのか。本書では、古今東西の独裁者たちの言動を詳述し、彼らの「人を動かす技術」を暴いていく。
もちろん、独裁者たちの行った虐殺や暴力支配を肯定することはできない。しかし、自分の思うように事を運ぶために彼らが採った緻密な戦略の数々は驚きに値する。本書を読めば、人を従わせるために必要なのは恐怖だけではないということがよくわかるだろう。著者が「人間の魅力は日々の言動の積み重ねだと気づかされた」と言うほど、独裁者たちが実現してきた熱狂の裏にはたゆまぬ努力があったのだ。
独裁者たちが用いたテクニックは一朝一夕に取り入れられるものばかりではないが、リーダーシップを発揮したいビジネスパーソンに良いヒントを与えてくれることだろう。


本書の要点

・独裁者たちは、恐怖で民衆を支配するだけではなかった。頼りがいのあるリーダーを演出し、大衆の支持を得られるように戦略的に動いていた。
・配下の承認欲求を満たすには、優秀な人材を集めて気に入ったものを抜擢し、自分にもチャンスがあると思わせて全体の士気を高めること、ポジションを与えることができないものに対しても別の報酬を与えることが有効だ。
・人の心を動かすために、独裁者たちは自分の見た目にこだわっていた。とくに重要なのは、ハツラツとした若々しさである。


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