【今日の一冊】そのメカニズムからゲノム医療まで 「がん」はなぜできるのか


「がん」はなぜできるのか
国立がん研究センター研究所(編) (講談社)


レビュー

がんは身近な病気である。日本人の2人に1人が生涯に一度はがんに罹り、男性の4人に1人、女性の6人に1人ががんで死亡すると推計されているほどだ。
もはや国民病とも言って差し支えないがんだが、私たちはがんについて十分な知識を持っているだろうか。「がんの定義は何か」「がんはどのように発生するか」「がんを予防することは可能なのか」――これらの問いに明確に答えられる人は多くはないだろう。
本書は、国立がん研究センター研究所の研究者らによってまとめられた。取り上げられるトピックは、がんとは何か、がんはどのように発生するかといった誰もが押さえておきたいものから、がんの予防法などの実践的な知識、さらには最先端のがん治療までと幅広い。
本書を読むと、がんは誰しもが罹る可能性のある病気だという事実を突きつけられる。がんは遺伝的要因よりもむしろ生活習慣のリスク要因が積み重なって発生する病気だと明記されているからだ。
しかし裏返していえば、生活習慣を改善すればがんを予防できる可能性があるということでもある。がんの予防法として「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの健康習慣を具体的に紹介してくれているところもありがたい。読者は今日から早速がん予防に取り組むことができるだろう。
がんは、自分や家族が罹る可能性が十分にある、他人事ではない病気だ。本書を読み、がんという病気に対する理解を深めてみてはいかがだろうか。


本書の要点

・細胞が必要以上に増殖し続けてできたかたまりを腫瘍と言い、悪性の腫瘍を「がん」と呼ぶ。
・がんの予防には、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの健康習慣が重要となる。5つすべてを実践する人は、実践しない人または1つだけ実践する人に比べ、男性で43%、女性で37%、がんになるリスクが低くなるという実験結果がある。
・遺伝子の塩基配列を高速で読み取る次世代シーケンサーやAI(人工知能)など、最先端科学を結集させた「がんゲノム医療」が今後のがん治療の主役となる。


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