【今日の一冊】マンガアプリ以降のマンガビジネス大転換時代 マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?


マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?
飯田一史 (星海社)


レビュー

マンガビジネスはいま、大転換の渦中にある。
出版科学研究所によると2017年のマンガの市場規模は、雑誌と単行本を合わせて4330億円(紙2583億円、電子1747億円)だ。これは市場規模1兆5916億円の出版産業全体のなかでもっとも大きい規模である。一方で2017年、コミックス(単行本)の電子版の売上がついに紙版の売上を上回った。「LINEマンガ」などの大規模なマンガアプリの影響力は、大半の紙のマンガ雑誌を凌ぐまでになっている。これは「紙から電子へ」という、たんなるモノの変化だけを意味しない。コミックス売上至上主義だった旧来のマンガビジネスの秩序そのものが激変しているのである。
マンガは「原作」として、アニメやゲームその他さまざまなメディアで重宝される存在である。だからマンガ産業の行く末は出版界に留まらず、日本のコンテンツ産業すべての未来に関わる問題だ。スマホ向けゲームやNetflixをはじめとする動画配信が普及し、今後はVRを用いた娯楽も増えると予想されるなか、かつてマンガに割かれていた可処分所得と時間は、放っておけば奪われるだけである。
変革の渦中にあるマンガビジネスの見取り図を提示し、その変化の本質はなんなのかを見極める刺激的な一冊。マンガに興味がない人にとっても、示唆に富む読書体験になるだろう。


本書の要点

・マンガアプリにはさまざまなサービスがあるが、その機能は「他社制作の新作連載」「他社制作の旧作連載」「自社制作の新作連載」「コミュニティ」の大きく4つに分類できる。
・「LINEマンガ」などのストア/プラットフォーム系アプリが普及するにつれ、作品単品での勝負という傾向が強まり、「ジャンプ」や「マガジン」といった雑誌単位でのブランド販売が厳しくなっている。
・これまでは単行本部数が勝負の中心だった。しかしいまは1話単位での販売や広告収入、ファンビジネスなど、マンガビジネスの収益源は多様化している。


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