【今日の一冊】利益を伸ばすリテンションマーケティング入門 売上の8割を占める 優良顧客を逃さない方法


売上の8割を占める 優良顧客を逃さない方法
大坂祐希枝 (ダイヤモンド社)


レビュー

2007年、WOWOWは苦境に立たされていた。キャンペーンを駆使して56万人の加入者を獲得しても55万5千人が解約。多額の予算をかけているにもかかわらず、実質的には1年間に5千人しか加入者数が増えていない状態だった。
深刻な大量解約を受けて設置されたのが、「解約防止部」だ。そして著者がその部長に任命される。著者は知識も経験もない「リテンションマーケティング」を駆使し、解約を食い止めることに成功する。やがて累計加入世帯数が10年以上連続で増加するなど、有料放送業界では「WOWOWのひとり勝ち」と言われる状況へと導いた。
この「リテンションマーケティング」とは、新規顧客開拓よりも既存顧客維持に重点を置くマーケティング手法のことである。これは単なる現状維持の手法ではない。自社サービスを長期利用してくれている既存顧客に目を向けることで、自社ですら気づいていない自社サービスの本質的な価値を浮き彫りにすることができる。そしてその本質的な価値を顧客に届け、長期的にサービスを利用する優良顧客の割合を増やし、堅固な経営を実現するというものだ。
そんな「リテンションマーケティング」をWOWOWという実際のビジネス現場で活用し、そこから得られた教訓を凝縮したのが本書である。本書には机上の空論ではないリアルな迫力がある。マーケティング担当者はもちろんのこと、すべてのビジネスパーソンに一読をおすすめしたい。


本書の要点

・WOWOWを悩ませた大量加入・大量解約の原因は、無料キャンペーンや割引キャンペーンを継続的に実施することにより、顧客心理に「キャンペーン期間が終わったら解約してもよい」と意識づけてしまったことにある。
・著者らは加入期間別に利用者の解約理由を突き止め、それを覆すアプローチを実施した。
・著者らは利用者の「気持ち」に応える番組をレコメンドすることで、解約者を減らすことに成功した。
・解約したい顧客を引き留める施策も重要だが、本質的な課題は、顧客を優良顧客化して長期にわたってサービスを利用し続けてもらうようにすることだった。


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