【今日の一冊】 ツァラトゥストラかく語りき


ツァラトゥストラかく語りき
フリードリヒ・W. ニーチェ (河出書房新社)


レビュー

19世紀に生き、不朽の思想を遺したニーチェの主著である。哲学に特別関心のない層にも広く知れ渡っており、印象的なタイトルに興味をそそられたという人も多いだろう。本書は主人公ツァラトゥストラが「超人」や「永劫回帰」といった思想を語るという体裁をとっており、その内容は哲学思想の枠にとどまらず、文学や芸術など多方面に絶大な影響を与え続けている。
最初に断っておくが、決して読みやすい本ではない。しかし歴史に名を残す哲学書なのも間違いない。辛抱強くニーチェの思考の足跡をたどっていけば、頭がしびれるほどの読書経験になるはずだ。これまでの自分の経験や考え方が根底から覆されることも覚悟してほしい。ある意味で非常に危険な本なのである。
圧縮しすぎることで書籍の味わいをなくしてしまうのを避けるため、本要約では主に「超人」の理想が語られる第一部を取り上げた。このあと第二部、第三部と進むにつれ「永劫回帰」の思想が徐々に姿をあらわし、最終部ではさまざまな苦悩を乗り越え、圧倒的な肯定へと至る様子が描かれる。
なお本書は気鋭の哲学者による新訳である。ツァラトゥストラの言葉を理解しようとして挫折した経験のある読者も、ぜひあらためて挑戦し、世界的名著の凄みを味わっていただければ幸いだ。真に人生が変わる読書になるかもしれない。


本書の要点

・山に入り、孤独のなかで思索を深めたツァラトゥストラは、人びとにその知恵を贈るために山を下りた。しかし民衆はツァラトゥストラの語る言葉に聞く耳をもたなかった。
・街に滞在したツァラトゥストラは、創造へと向かう精神がたどる3つの変化について、そして高潔な精神が陥る危機について語った。
・最高の徳は贈り与える徳だと語ったツァラトゥストラは、弟子たちに「みずからを見出せ」と語って街を去り、ふたたび山に入り孤独にかえった。


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