【今日の一冊】なぜ日本企業にオープンイノベーションが必要なのか? 新たなる覇者の条件


新たなる覇者の条件
尾崎弘之 (日経BP社)


レビュー

本書は副題にもあるように「オープンイノベーション」をテーマにした本である。特徴的なのは、徹底的に日本企業の実践にこだわっている点だ。
著者も述べるように、「当社は自前主義をやめる。これからはオープンイノベーションの時代だ」と明言する経営者も少なくない。政府の「オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会」には、800社以上の錚々たる企業が加盟している。しかし、その実態はどうであろうか。導入される施策としては、「アイデアソン」「マッチング」「アクセラレーション」などがある。これらが真のオープンイノベーションにつながっているかというと、期待される果実を得られていないケースも少なくない。著者もこうした施策に安易に手を出すことには決して賛成していない。変革を成功させ、軌道に乗せるには、きちんとした「プロセス管理」が必要だという。
紹介されている日本企業20社あまりの事例は、既存の市場での勝ち組ともいうべき優良企業ばかりである。そうした企業であっても、今後も覇者であり続けるためにはオープンイノベーションによる新規事業の開拓が必須と著者は説く。そのためには、上記の「プロセス管理」に加えて、経営トップ層の変革への強い意志と、社員のマインドセットの革新が欠かせない。イノベーションのためのナレッジとノウハウを知るには、まさにうってつけの一冊である。


本書の要点

・新たな時代の覇者をめざす企業は、自前主義から脱却し、オープンイノベーションに挑むことが求められている。
・ただし、オープンイノベーションは「魔法の杖」ではない。各企業が置かれた事業環境や抱える事業課題、変化を妨げる組織風土的な要因に応じた、周到な「プロセス管理」が必要である。
・本書では、イノベーションを実現するための「5つのステップ」を明らかにするとともに、代表的な日本企業の実践を具体的に紹介していく。




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