【今日の一冊】日本テレビ えげつない勝ち方 全部やれ。


全部やれ。
戸部田誠(てれびのスキマ) (文藝春秋)


レビュー

本書は1980年代半ばから90年代半ばまでの、約10年に及ぶ “日本テレビクロニクル”だ。
日本テレビといえば、1994〜2003年および2011年〜17年に年間視聴率首位を獲得した、誰もが認める王者である。しかし94年にはじめて単独首位に躍り出るまでは苦悩の連続であった。1960年代前後に黄金時代を築くものの、80年代に入る頃には優秀なつくり手が不在となり低迷。しかし執念ともいえる地道な努力と、全社をあげた改革の結果、見事王者の座に輝いた。
本書には『電波少年』『クイズ世界はSHOW byショーバイ』といった、一時代を築いた番組が多数登場する。これらの人気番組は、誰の手でどのように誕生したのか。その“メイキングドラマ”は、ゴールデンタイムを飾れそうなほどにドラマチックだ。
順風満帆な優等生がほとんど登場しないことも興味深い。たとえば『電波少年』の土屋敏男は下積み時代、とんねるずの“アポなしコネなし” の張りつきを命ぜられ、彼らと仲良くなるためにひたすら他局の現場へ通いつづけなければならなかった。90年代の日テレ黄金期を築いた当時の社長・氏家齊一郎すら、社長就任前に一度日テレを追放されている。
“落ちこぼれ”の彼らを奮い立たせたのは、「おもしろい番組をつくる」「視聴率を獲る」という、“テレビ屋”としての執念と情熱のみだった。そこにちっぽけなプライドはない。
手に汗握る “日テレ群像劇”を、とくとご覧いただきたい。


本書の要点

・80年代の日本テレビは、「万年3位」と呼ばれ低迷していた。だがこのときの若手が中心となって、その後の日テレの起死回生を担っていく。
・「視聴者がおもしろいと思う番組」をつくること、それが“テレビ屋”の使命だ。
・役割や部署といった枠組みを超えた全社の結束、「視聴率」という明確な目標の設定が、日テレ大躍進の実現につながった。




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