【今日の一冊】 読書という荒野


読書という荒野
見城徹 (幻冬舎)


レビュー

『読書という荒野』――このタイトルを見て、何を感じるだろう。本書には、「血で血を洗う読書という荒野を、僕は泣きながら突き進むしかない」というフレーズがある。いくら本が好きでも、ここまで本気で読書に向き合っている人はそういないのではないだろうか。
そんな刺激的なタイトルを冠する本書の著者は、幻冬舎の代表取締役社長、見城徹氏である。本書では、見城氏の生まれ育った環境から学生時代、新卒で就職した廣済堂出版での経験、幻冬舎の設立に至るまで、見城氏の歩みが彼の強烈な読書体験とともに語られる。まるでエッセイのように読み進められる箇所もあるのだが、その通底には見城氏ならではの読書論、そして仕事論がある。
著者が何度も繰り返すのは、「他者への想像力」というフレーズだ。五木寛之さんと仕事をすることを夢見た見城氏が、五木さんのすべての作品を読み、その感想を手紙にしたためていたエピソードは有名だろう。同様に、石原慎太郎さんと初めて会ったときには、『太陽の季節』を暗唱してみせたという。また初めてのベストセラー『公文式算数の秘密』をつくるときには、公文式に対し、出版によって得られるメリットを強調したそうだ。これらの行動はすべて、「他者への想像力」という言葉で説明できるのではないだろうか。
特段読書が好きな人でなくても、ぜひ本書を手に取ってみてほしい。きっと「仕事人」としての自分のあり方を見直さずにはいられないはずだ。


本書の要点

・著者は劣等感にまみれた少年時代を送った。小学校高学年のときには、同級生のみならず担任教師からもいじめを受けた。その悔しさはいまだに消えていない。
・中学校2年生の夏、死ぬ覚悟でいじめに反撃した。この出来事で学んだことは、何かを変えるためには死ぬ覚悟を決めなくてはいけないことだった。
・大学に入学すると、読書と学生運動にのめり込んだ。このとき出会った吉本隆明の著作に多大な影響を受け、今も週に1回は読み返している。
・読書と旅と恋愛をやりきれば、大きく成長し、人生を豊かに生きることができる。




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