【今日の一冊】 すいません、ほぼ日の経営。


すいません、ほぼ日の経営。
川島蓉子,糸井重里 (日経BP社)


レビュー

糸井重里氏が主宰するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」(以下、ほぼ日)。その名前は、誰もが一度は聞いたことがあるだろう。ほぼ日が始まってから、今年で20年が経った。その間も巻頭コラム「今日のダーリン」は毎日更新され、多くの人に読まれている。また2001年の発売以来、毎年利用者を増やしているロングセラー商品「ほぼ日手帳」も有名だ。ほぼ日では雑貨や洋服、食べものなど、幅広いラインアップのオリジナル商品が売られており、東京と京都の「TOBICHI」という空間ではいくつものイベントが企画されているなど、活動の場はどんどんと広がっている。
とにかく話題のつきないほぼ日だが、一番驚かされたのが、2017年3月に東京証券取引所のジャスダック市場に上場したことだ。「ほぼ日はどこに向かうのか」――本書もそんな疑問から始まっていて、聞き手である川島蓉子氏が、語り手の糸井氏に対し、さまざまな角度からほぼ日の経営について問いかけている。
本書を読んでよくわかったのは、ほぼ日の経営が一般的な経営と一線を画しているということだ。その経営方針は一朝一夕には真似できないし、真似をしたところで他の場所ではうまく機能しないだろう。糸井氏や社員たちが、みずから考えつくりあげたからこそ、ほぼ日のシステムや商品は人の心が通ったものとなり、それを感じ取った周囲の人々に受け入れられているのだ。
本で読んだことをただ実践するのではなく、じぶんの頭で「考える」ことの大切さをあらためて教えてくれる一冊である。


本書の要点

・暮らしにかかわるあらゆるものがほぼ日の事業対象であり、社員のアイデアがきっかけとなって、それぞれのプロジェクトチームは発足されている。
・人事や評価についても、これまでの常識にとらわれず、まるで手仕事のように手間をかけて取り組んでいる。
・社員がより成長し、人がよろこぶものを追求すること。ほぼ日は上場を、そのためのトレーニングのようなものと捉えている。




フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に1,500タイトル以上の要約を公開中です。@niftyニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。