【今日の一冊】不確かな未来から利益を生みだす 確率思考


確率思考
アニー・デューク,長尾莉紗(訳) (日経BP社)


レビュー

本書の原題は“Thinking in Bets: Making Smarter Decisions When You Don't Have All the Facts”だ。このサブタイトルが示すように、「私たちはどのようにしたら、“より質の高い意思決定(Smarter Decisions)”ができるか」が本書の中心的なテーマとなる。
ここで注意してほしいのが、メインタイトルにも使われている“Bets”という言葉だ。Betsは通常「賭け」と訳され、本書でもその訳語が与えられているが、「賭け」という言葉からはギャンブルや賭博、「一か八かの賭け」といった、ポジティブではないニュアンスを受け取る方も少なくないかと思う。
しかし本書における「賭け」とは、「きわめて意識的におこなわれる高度な意思決定」という意味をも含んでいる。そうした高度な意思決定の仕方を、著者はポーカーというゲームから学んだという。そしてすぐれたプロのプレーヤーとして名を馳せたのち、いまはそこで得た知見を社会に還元するべく活動を続けている。本書の執筆もその活動の一環といえるだろう。
私たちの人生はあらゆる意思決定の連続だ。にもかかわらず私たちはしばしばその場の感情に左右されてしまい、あまりにも無自覚に意思決定をしている。
意思決定の質を高めることが、ビジネスや私生活において、どれほど重要かつ有用なことか。本書をひもとくことで、その事実をあらためて確認できるであろう。


本書の要点

・私たちは「良い結果」につながったものを「良い意思決定」と見なしがちだ。しかし意思決定の内容と結果はつねに相関するわけではない。
・どんなに「良い意思決定」をしたとしても、その時点では把握できていない情報や運が結果を左右することもある。しかも私たちの意思決定は、さまざまな心理的バイアスの影響を受けてしまう。
・意思決定の質を向上させることは、あくまでも良い結果をもたらす「可能性を高める」手段であって、良い結果を「保証する」わけではない。しかし意思決定の質を向上させるべく努力しつづければ、いずれ人生やビジネスに大きな影響をもたらすだろう。




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