【今日の一冊】「たねや」に学ぶ商いの基本 近江商人の哲学


近江商人の哲学
山本昌仁 (講談社)


レビュー

バームクーヘンで有名な「クラブハリエ」をご存じの方も多いだろう。洋菓子部門「クラブハリエ」と和菓子部門「たねや」を率いて年間で200億円の売り上げを誇るのが、たねやグループだ。本書は、たねやグループの10代目として生まれ、グループCEOを務める山本昌仁氏による一冊である。
本書で語られるのは、家族経営の小さな菓子屋だった「種屋」が現在のような人気を集めるまでのヒストリーや、たねやグループならではの商売観、今や滋賀県一の人気スポットとなった「ラ コリーナ近江八幡」出店のねらいなどである。
本書ではたねやグループ成長の秘訣がいくつも語られているが、注目すべきが「すべてが本店」主義である。支店を出すのであれば、一家で移り住んで、すべてを投げ出して全力投球する。本店以上の存在に育てる覚悟が必要であるという考えだ。
予算制度を廃止したことも、参考になるだろう。これは、お客様本位で動いていれば結果はあとからついてくるという考えに基づいている。予算を気にするばかりに、無理な営業に走ってしまわないようにすることがねらいだ。
本書を読み終わる頃には、地元のお菓子屋さんだったたねやグループがなぜここまで大きくなったのか、その秘訣が理解できるはずだ。


本書の要点

・たねやは「すべてが本店」主義。リスクを覚悟の上で、全力投球で全支店を本店以上の存在に育てている。
・「本物」という考えは、たねやにとって最大のキーワードであり、こだわりでもある。ラ コリーナ近江八幡でも、「本物」を追求した。
・たねやがめざすのは、アリのような組織だ。一人一人がバラバラに動き、全体として会社や社会のためになる組織が理想である。
・お客様の喜ぶ顔さえ見ていれば結果はあとからついてくるという考えから、たねやは予算制度を廃止した。自分の成績よりお客様のほうを見ることのほうが重要だ。




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