【今日の一冊】 構想力の方法論


構想力の方法論
紺野登,野中郁次郎 (日経BP社)


レビュー

日本経済は長らく停滞を続け、大企業の不祥事が相次いでいる。本書によるとその原因は、日本に構想力が不足していることであるという。
著者は、デザイン経営、知識経営、場の経営、イノベーション経営などといった新たなコンセプトを広めた紺野登氏と、知識創造理論を広めた野中郁次郎氏である。彼らが指摘するのは、日本が停滞状態を抜け出して世界と互角に戦っていくためには、構想力が求められるということだ。
そもそも構想力とは何か。それは、「存在しないものを存在させる力」である。その働きは3つの要素を備えている。すなわち、構想力を描く「ビッグピクチャー」、良い問いを立てる「ビッククエスチョン」、人々の価値観がどのようなもので、何を目指して行動しているのかを見極める「新たなビューポイント」である。構想力は想像力、主観力、実践力の融合からなり、構想をデザインするプロセス、目的を創造していくプロセス、エコシステムの形成プロセスを経て生み出されるという。このプロセスは本書のなかで、JR東日本の「スイカ(Suica)」構想を例に挙げてわかりやすく解説される。
本書によって目をひらかされるビジネスパーソンは多いはずだ。構想力という概念を深く理解し、自分の力として身につけることができれば、今後の人生の糧となるに違いない。


本書の要点

・構想力の働きには3つある。ビッグピクチャーを描く力、ビッグクエスチョンを立てる力、新たなビューポイントによって方向性を見極める力である。
・構想力とは「存在しないものを存在させる力」である。構想力は、想像力、主観力、知性と感性と身体の三位一体で生み出される実践力の融合から生じる。
・構想化のプロセスは、(1)構想をデザインするプロセス、(2)目的を創造していくプロセス、 (3)エコシステムの形成プロセスからなる。




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