【今日の一冊】グーグルマップ誕生 NEVER LOST AGAIN


NEVER LOST AGAIN
ビル・キルデイ,大熊希美(訳) (TAC出版)


レビュー

思えば最近、道を聞かれなくなった。
少し前までは地図を片手に彷徨っている人や、誰かに道を聞く人も珍しくなかったはずだ。だがいまでは大半の人がスマートフォンを使って住所を調べ、見知らぬ土地でもそれほど苦もなく目的地にたどり着けるようになった(GPSやコンパスが正常に働いていればの話だが)。もはや地図アプリは私たちの生活に欠かせないものとなり、今日も数多くの方向音痴を救っている。
こうした世界が実現したのは、間違いなくグーグルマップのおかげだ。だがイノベーションの常として、その道のりは決してやさしいものではなかったという。一時期は倒産寸前まで傾いた会社が、どうやってグーグルに買収され、グーグルマップ/アースというプロダクトを生み出すまでに至ったのか。
著者はキーホールの創業者ジョン・ハンケの側で、ずっと地図事業に関わってきた。ゆえにこのトピックについて書くうえで、これ以上の人物はほとんどいないだろう。しかも書きぶりが抜群におもしろい。読んでいると自分もキーホールの一員となったような、そんな気持ちにすらさせられる。とりわけグーグルから買収の持ちかけがあったときのエピソードは痛快だ。読んでいてこちらも「グーーーーグルだって!?」と叫びたくなってしまう。
ビジネスという道に迷い続けた彼らが、最終的には世界を変える地図を生み出した。グーグルマップの1ユーザーとして、その慧眼と努力に最大限の敬意を表したい。


本書の要点

・キーホールは資金繰りに苦しんだものの、CNNの放送でアースビュアーが使われたのをきっかけに業績を伸ばしていく。
・グーグルはキーホールの技術を「グーグルのコアになるかもしれないもの」と考えており、すぐに買収を決断した。
・キーホールを含めたグーグル内の3つのチームが、最新鋭の地図サービスを作るべく力をあわせた。こうして最終的にできたのが「グーグルマップ」と「グーグルアース」である。
・この2つのプロダクトは、グーグルがローンチしたもののなかでも最も大きな成功を収めた。




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