【今日の一冊】 チーム・ブライアン 新たな旅


チーム・ブライアン 新たな旅
ブライアン・オーサー,樋口豊(監修),野口美惠(構成・翻訳) (講談社)


レビュー

フィギュアスケート選手が氷上を滑る姿は、とても優雅で美しく、思わず見とれてしまう。だが私たちは、いつも国際大会やオリンピックなどで披露される美しい演技だけを見て、ジャンプの成否や得点に一喜一憂するだけだ。選手たちがどれほどの努力をしているのか、どれほどのプレッシャーを乗り越えてきたのかに思いを馳せたとしても、華やかな舞台の裏側を知る機会はほとんどない。
本書の著者ブライアン・オーサーは、日本が誇る男子フィギュアスケート界のヒーロー、羽生結弦選手のコーチを務めている。本書では、最も近い位置から彼を指導し見守り、共に喜びを分かち合ってきた数々の体験がスリリングに語られており、その舞台裏が垣間見える一冊となっている。
オリンピックともなると、その優雅さの裏には私たちには想像もできないほどのプレッシャーがある。選手たちはその重圧をコントロールすべく、挫折を乗り越えて努力を重ね、自らを高めている。それがいかに大変なことであるかは察して余りあるが、一見するとビジネスパーソンとはまるで異なると思われるフィギュアスケートの選手たちから学べることは大きい。なぜなら4回転ジャンプがうまく跳べない、思わぬ怪我により十分な練習ができない、試合で望ましい結果を出せないなど、壁に突き当たるのは私たちビジネスパーソンと同様だからである。
フィギュアスケートの選手たちはどのように問題に対処し、どのようにして自らを進化させているのか。読み物としておもしろいのは当然ながら、課題の捉え方や課題への向き合い方も大いに参考になるはずだ。


本書の要点

・平昌オリンピックに向けての羽生選手の最重要課題は精神的成長、つまり「自分自身でオリンピックへの準備をする責任を持てる選手になる」ことだった。
・羽生選手はライバルに闘志を燃やし、自分を鼓舞して難曲にも積極的に挑んでいくタイプである。課題に突き当たり挫折しても最後まであきらめず、挑戦を重ねて進化していく。
・問題が起きたときには「乗り越えるべき課題、自分の能力を発揮するべき挑戦が与えられた」と考えれば気持ちが前を向く。




フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に1,500タイトル以上の要約を公開中です。@niftyニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。