【今日の一冊】 AIに負けない自分で考える子どもを育てる21世紀型教育


AIに負けない自分で考える子どもを育てる21世紀型教育
大橋清貫,本間勇人 (秀和システム)


レビュー

従来の「20世紀型教育」では、教科書に書かれていることや先生の言ったことを丸暗記し、試験で正確にアウトプットする能力を高めることが主眼とされてきた。だが、情報の記憶や処理において、人間はAIに太刀打ちできない。もはや人間は、情報の記憶や処理能力だけを磨いていてはいけないだろう。
2018年にノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑氏は「教科書に書いてあることが全部正しいと思ったら、それでおしまいだ。(中略)疑って、自分の頭で納得できるかどうかが大切だ」と言った。AIに使われるのではなく、AIを使いこなせるようになるためには、ロボットのような人間ばかりを生産する20世紀型教育から、教科書に書かれていることを疑う批判的思考や新たな発想を生み出せるような創造的思考、そして自分で考える力を備えた人材を育成する教育への転換が求められるだろう。そのために生み出されたのが「21世紀型教育」だ。本書では、著者の一人である大橋氏が学園長を務める三田国際学園において実践される「21世紀型教育」が紹介される。
日本の教育界は、新たな時代の変化に対応した人材、国際競争に負けないイノベーションを生み出せる人材を育成するための教育改革に取り組んでいるが、明確なゴールが見えないのが実情である。そんな中、本書で提示されている21世紀型教育は、有力な指針の一つとなり得るだろう。ただ、21世紀型教育が実践されていく中でいかなる問題や改良点が見つかるのか、それはまだ手探りのままである。


本書の要点

・社会が大きく変化していく中、教育も時代の変化に合わせた「21世紀型教育」へと転換しなければならない。
・三田国際学園では「相互通行型教育」によって考える力を鍛えている。先生が投げかけた質問に対し、グループで議論して見解をまとめ、プレゼンするというものだ。このプログラムを通じて生徒たちは、隣の生徒が深い洞察・思考をしていることに驚かされ、知的刺激を受けてさらに成長していく。




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