【今日の一冊】社長が60歳になったら考えるべきこと やるべきこと やってはいけないこと 後悔を残さない経営


後悔を残さない経営
三宅卓 (あさ出版)


レビュー

60歳は人生のターニングポイントといわれる。今は元気で、アグレッシブに会社を率いていても、未来永劫経営を続けられるわけではない。また、昨今のような厳しい経営環境においては、人材不足や事業の将来性への不安が相まって、後継者不在問題は深刻化する一方だ。経営を誰に託すのか。後継者がいない場合はどう対応するのか。財産分与はどうするのか――。60歳というのは、こうしたことを真剣に検討し、自分と会社の未来図を具体化する時期だといえる。
著者は事業承継と成長戦略のプロフェッショナルとして27年間、5000以上の会社の終焉と再生を目にし、M&Aによる第三者への事業承継を成功に導いてきた。また、自身の経験も踏まえて、財産の棚卸から遺言書作成までの、より効果的なプロセスを明らかにしてきたという。事業承継・財産承継に関して、惜しみなく公開された豊富なノウハウには、そんな著者だからこその説得力がみなぎっている。
「いざとなれば何とかなる」。そう思っていても、「いざ」というときは突然やってくる。その前に、大きな変化の波に処するための戦略を練ってはいかがだろうか。会社の将来のために、従業員や家族のために、と奔走してきた経営者にとって、著者のアドバイスは強く響くだろう。
経営者人生の総仕上げの時期を豊かなものにし、大事な会社とそのビジョンを次世代に引き継いでいく。本書は、その準備期間を伴走してくれる心強いパートナーになってくれるはずだ。


本書の要点

・経営者は、会社が存続できた場合と、そうでなかった場合の大きな差を切実に認識し、遅くとも60歳のタイミングで事業承継の準備を進めるべきだ。
・事業承継は会社を成長させるトリガーとなる。会社を成長させる戦略には、「オーガニック戦略」と「レバレッジ戦略」の2つがあるが、今後は後者を前向きに検討することが重要である。
・財産承継においては、財産の棚卸をして、「財産シート」に書き出し、財産分与の方向性を遺言書で明らかにすることが求められる。




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