【今日の一冊】 プロフェッショナルマネジャー


プロフェッショナルマネジャー
ハロルド・シドニー・ジェニーン,アルヴィン・モスコー(編),田中融二 (訳) (プレジデント社)


レビュー

米国のコングロマリット企業であるITTの元最高経営責任者ハロルド・ジェニーン、その経営回想録である。58四半期連続増益を達成するなかで、彼が実践し体得した「経営」に関するあらゆることが、本書では余すことなく語られる。
一読するだけでも、ジェニーン氏がエリート・秀才タイプの経営者とは一線を画していることがわかるだろう。彼は高尚な経営理論を振りかざしたりはしない。ここに書かれているのは、きわめて実直な経営哲学だ。彼にとってのリーダーシップとは、「他の人々と一緒にボートに飛び乗り、オールをつかんで漕ぎ始めること、そして危機にあるときこそ、率先してオールを掴むこと」だという。そしてそうした姿勢が、他の米国企業との大きな違いをつくったのである。
一方でジェニーン氏は、経営上の数字を軽視しない。むしろ彼は数字を非常に重視しており、数字に対してもきわめて実直である。数字に注意を払うことは、「単調で退屈な決まりきったことの繰り返しだ」とボヤきつつも、数字がなにを意味し、なにを要求しているかを考える能力こそが、ITTの継続的な成長の要因だと語る。
ITTでのさまざまなエピソードを交えながら、「経営の鬼神」ジェニーン氏の飾らない、地に足の着いた金言が満載の一冊だ。経営者、リーダー、マネジャーをめざす、すべてのビジネスパーソンに読まれるべきである。


本書の要点

・経営においては、終わりから考えはじめ、そこへ到達するためにできる限りのことを努力すべきである。
・組織図に書きあらわせるような関係だけに着目していたら、組織はうまく機能しない。血のかよった関係こそ重視する必要がある。
・数字はできるだけ早く正確に算出するべきである。その数字がなにを意味し、なにを要求しているのかを理解することが、組織の継続的な成功を可能にする。
・リーダーはなによりも献身的に部下をサポートしなければならない。部下は守られていると感じるからこそ、創造的エネルギーを発揮できる。


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