【今日の一冊】「編集の文法チェックシート」でマスター 才能に頼らない文章術


才能に頼らない文章術
上野郁江 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)


レビュー

「文章力は先天的な才能ではない」――よく耳にすることだが、書き方を教わってもそれをすぐに生かせるとは限らない。練習あるのみとわかっていても、くじけそうになってしまうものである。
本書は、従来の文章術の本とはひと味違う。付録の「編集の文法チェックシート」を使って、書いた文章を自ら添削できるようになっているのだ。「文章は誰かに見てもらって評価されるもの」と思っていた要約者にとって、これは驚きだった。
添削する際の評価基準も明確だ。「各項目1〜2箇所のミスまでは△、3箇所以上は×という方針で判定するとよいだろう」とある。まるで数学の問題集の答え合わせをして、得点を確認するような感覚だ。こうすることで、自分の弱点が目に見える。回数を重ねるごとに成長が見え、モチベーションアップにもつながるだろう。
なぜ著者は、文章術をこれほどシステマチックに伝授することができるのか。その背景には、著者が大学院でシステムズエンジニアリングを学んでいたことがあるという。その経験をもとに、出版社勤務時代に身につけた「編集」のスキルを「システム」ととらえ、学術的にアプローチしたそうだ。OJTで身につけた仕事を言葉で表すだけでも骨が折れるだろうに、ここまでわかりやすくまとめるのには多くの苦労があったのだろうと推測する。
本書のチェックシートを活用すれば文章スキルが上がるという学術的な検証結果も出ている。他の文章術の本が合わなかった方に、是非読んでもらいたい一冊だ。


本書の要点

・編集者の価値は「常に読者の視点で考えること」と「伝わる内容にすること」にある。
・文章力向上のためには、編集執筆力を身につけることが重要だ。編集執筆力は「文章基礎力」「文章表現力」「文章構成力」「メディアマインド」の4つから成る。
・「メディアマインド」とは、情報発信をするメディア人がもつべき心のあり方を指す。
・読者を「楽しませる」「共感させる」文章を書く場合には、論理だけではなく、感性も交えた「ゆるやかなロジック」を使う。


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