【今日の一冊】How Facebook, Google, and Amazon Cornered Culture and Undermined Democracy Move Fast and Break Things


Move Fast and Break Things
Jonathan Taplin (Little, Brown and Company)


レビュー

グーグルで検索する、隙間時間にフェイスブックで友人の近況を知る、書籍をアマゾンで購入する。インターネット、そしてIT市場を席巻するGAFAを中心としたプラットフォームは、生活に不可欠な存在となった。その驚くべき利便性や娯楽性に私たちははまり込んでいる。しかし、それらの負の側面に思いを馳せたことはあるだろうか。
1965年、著者は、ニューポート音楽フェスティバルでのボブ・ディランのパフォーマンスに衝撃的な感動を覚え、音楽・エンターテインメントの世界に飛び込んだ。そして、世界的アーティストの音楽プロデューサーやマネージャーを長年務めてきた。そんな彼は、テクノロジー革命によるアーティストの社会的価値の凋落ぶりに、怒りを隠し切れない。また、巨大テクノロジー企業によるインターネット市場の独占が、経済格差を助長し、公平なジャーナリズムを脆弱化させていることを憂慮する。このままでは、民主主義の存在さえ危ういと言うのだ。
歯に衣を着せぬ言葉で、インターネットの現状やシリコンバレーの起業家たちを厳しく批判する著者。実は彼はテクノロジーにも精通している。YouTube登場の10年以上も前に、オンデマンドのビデオストリーミング会社を創業した実績を持つほどだ。
本書の表題は、フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグの言葉である。今こそ、抜け落ちていく文化と民主主義社会について再考すべきではないだろうか。ビジネス書グランプリ2019の総合グランプリに輝いた『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』とあわせてお読みいただきたい。


本書の要点

・インターネット市場は、シリコンバレーの大手テック企業が独占している。これらの企業は巨大な富を蓄積し、政治・経済・法制度に大きな影響を与え、社会格差の要因を作っている。しかし米国民には、この独占を規制する術がない。
・インターネットは、映画や音楽といったクリエイティブ業界が生んだ成果をコモディティ化する。同時に、一部の企業がメディアを牛耳ることで、民主主義の存在が危ぶまれている。
・インターネットやワールド・ワイド・ウェブは、政府機関の支援を受け、権力の分散と知識を共有する社会をめざす研究者の努力から生まれた。


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