【今日の一冊】VISION DRIVEN 直感と論理をつなぐ思考法


直感と論理をつなぐ思考法
佐宗邦威 (ダイヤモンド社)


レビュー

成功するプロジェクトとそうでないプロジェクトの違いは、そこに「妄想」を持った人がいるかどうか、その一点しかない――数々のイノベーションに関わるなかで、著者が確信したことである。「本当に価値あるものは、妄想からしか生まれない」のだ。それでは妄想(ビジョン)とは何か。著者によると、それは実現するかどうかわからない、未来に向けてのアイデアのことだという。
それは決して一部の天才のものではない。99%の凡人たる私たちにも、妄想を解き放つことは十分にできる。しかも妄想を妄想のまま終わらせることなく、「妄想」をビジネスの「戦略」にまで落とし込むこともできるというのが著者の主張だ。そのカギとなるのが、直感と論理をつなぐ思考法、「ビジョン思考」(Vision Thinking)だ。
ビジョン思考は一部の人間だけができるものではない。そこには確固たる「メソッド」が存在する。「手を動かして考える」「五感を活用する」といった原則にもとづきながら、「魔法の問いかけ」などの手法を実践することにより妄想を膨らませ、妄想→知覚→組替→表現のサイクルをまわしていく。
「人は何かを生み出しているとき、まさにその行為自体から幸福感を得ることができる」と著者は語る。ビジョン思考をマスターすることで、私たちはビジネスの世界のなかにありながら、創造という喜びにふれることができる。このメッセージこそ、著者から読者に対する最高のギフトというべきだろう。


本書の要点

・人も組織も「これがやりたい!」があると強い。その原動力となるのは、根拠があるとはいえない「直感」、得体のしれない「妄想」である。
・ビジョン思考とは、自分モードから生まれる「妄想」、イメージ脳を駆使する「知覚」、壊してつくり直す「組替」、プロトタイピングによる「表現」をまわしていく創造のサイクルである。
・内発的な妄想を突き詰めていくと、往々にして社会的な問題解決という大きな流れにつながる。ビジョン思考は、間違いなく次の時代に求められるアプローチである。


この本の要約をflier(フライヤー)で読む


フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に1,500タイトル以上の要約を公開中です。@niftyニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。