【今日の一冊】起業家を殺す10の迷信 The San Francisco Fallacy


The San Francisco Fallacy
ジョナサン・シーゲル,飯田諒(訳) (ナンバーナイン)


レビュー

スタートアップの拠点として不動の地位を築いてきたサンフランシスコ。世界中の野望に満ちた起業家たちがこの地をめざすのはなぜなのか。理由は簡単。「みんながそこで戦っているから」だ。さも憧れのスタートアップ業界の一員になったかのような優越感を味わえる。しかし、このように周囲に流されることこそ、「サンフランシスコファラシー(サンフランシスコの迷信)」だという。
起業家にはこうしたさまざまな「迷信」がつきまとう。迷信というのは、徐々に積み重なって私たちの思考に根づいてしまっているものを指す。著者は20年もの間テクノロジー業界で戦い、現在はエンジェル投資家としてスタートアップを支援している。そのなかで、起業家の「失敗」の共通項を見出したという。「テクノロジーが全てを解決してくれる」「失敗を念頭に入れたプロジェクトは失敗する」など。名づけて「起業家を殺す10の迷信」だ。
著者の山あり谷ありの起業ストーリーを追体験しながら、迷信にとらわれず、いかに成功確率を上げるかという10の教訓を学べるのが本書だ。綺麗ごとは一切なし。堀江貴文氏が「これは、実践者のみぞ知る『起業の教科書』だ」と推奨するのも頷ける。
「起業なんてしないから私は対象外」。そう思った方も、まずは1章だけでも読んでほしい。本書が単なる起業の成功法でなく、人生のあらゆる局面で活かせる「哲学」を語ったものであることがわかり、夢中で読み進めてしまうだろう。読後には、困難に立ち向かうための思考力という、人生の重要な「武器」を得られているはずだ。


本書の要点

・「テクノロジーの迷信」に陥らないためには、「テクノロジーですべて解決できる」という思いこみを捨てる必要がある。
・素早く大胆な決断を行うには、チームの各メンバーが平等に会社の株をもてばうまくいくという「民主主義の迷信」にとらわれないことが重要だ。
・「投資の迷信」に陥らないためには、資金調達を受けず、できるだけ長く事業を存続させるとよい。
・アイデアを重視する「アイデアの迷信」に陥ってはいけない。起業を成功させるためには、アイデアを実行する力が欠かせない。


この本の要約をflier(フライヤー)で読む


フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に1,500タイトル以上の要約を公開中です。@niftyニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。