【今日の一冊】 宇宙はなぜブラックホールを造ったのか


宇宙はなぜブラックホールを造ったのか
谷口義明 (光文社)


レビュー

2019年4月10日、ついに人類はブラックホールの撮影に成功した。ブラックホールは光をも飲み込んでしまうため、これまで撮影できていなかった。撮影されたブラックホールは直径約400億キロメートル。これは地球の直径の約150万倍で、太陽系全体をも上回る大きさだ。質量は太陽の65億倍と、ブラックホールのなかでももっとも重い部類に入る。
ブラックホール自体は非常にありふれた存在だ。太陽質量の100万倍から数10億倍の質量を持つという超質量ブラックホールだけで1兆個あるし、銀河の中心にはかならずといってよいほどブラックホールがあるという。だがその性質はとても興味深い。ブラックホールは合体しながら成長し、蒸発することでその寿命を終える。またブラックホールでは時空が落ち込み、その表面では時間が止まると考えられている。こうした性質を理解するうえでは、既存の思考の枠組みを壊さなければならないだろう。
本書は「宇宙はなぜブラックホールを造ったのか」という疑問を主旋律に、この不可思議な宇宙を紐解いていくものだ。物理的な反応の連続に過ぎない宇宙の営みのなかで、物質が誕生し星が生まれ、ブラックホールが生まれ、私たちも生まれた。ぜひ本書を読み、この宇宙に思いを馳せてみてほしい。


本書の要点

・アインシュタインによる特殊相対性理論や一般相対性理論の確立を契機に、ドイツの物理学者シュバルツシルトによって、ブラックホール解が導かれた。
・「ブラックホールは観測できない」と考えられていたが、強い電波源の調査や恒星と連星系をなす天体の調査から、いまは次々と新たなブラックホールが発見されている。
・銀河の中心にはブラックホールがあり、ブラックホールと銀河が共に進化するという「共進化(co-evolution)」という概念も生まれた。
・ブラックホールも物質としての性質を持っており、寿命がある。


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