【今日の一冊】職場の人間関係に悩む、すべての人へ 天才を殺す凡人


天才を殺す凡人
北野唯我 (日本経済新聞出版社)


レビュー

「才能」――なんとぼんやりした言葉だろう。その実体はあまりに曖昧であるようにみえる。
本書はそんな、つかみどころのない「才能」をテーマにした一冊である。著者は、デビュー作『このまま今の会社にいていいのか? と一度でも思ったら読む 転職の思考法』の大ヒットが記憶に新しい、北野唯我氏だ。
本書もデビュー作と同様、ストーリー仕立てとなっている。主人公は、あるテックカンパニーで広報を務める青野。35歳だ。彼は創業者である上納アンナの“才能”に惚れ、創業メンバーに名を連ねている。
ある日、週刊誌に上納アンナのネガティブな一面を強調した記事が出てしまった。この出来事をきっかけに、上納アンナだけでなく、広報としての青野の立場も悪くなっていく。悩む青野に手を差し伸べてきたのは、誰もが知るある銅像だ。青野は彼(?)から、人間には「天才」「秀才」「凡人」の3種類がいること、「天才」は「凡人」によって殺され得ることを教わる――。
以上のあらすじからわかるように、テーマは重いのだが、非常に読みやすい。何より「天才」「秀才」「凡人」を明確に定義した上で、それぞれの関係が描き出されている点が興味深い。サブタイトルには「職場の人間関係に悩む、すべての人へ」とあるが、老若男女、あらゆる立場の人にとって得るものの多い一冊である。


本書の要点

・人には「天才」「秀才」「凡人」の3種類がある。異なるタイプ間には「コミュニケーションの断絶」があり、天才は凡人に殺されることがある。
・コミュニケーションの断絶を引き起こしているのは、3つのタイプによってそれぞれ異なる「軸」だ。
・異なる軸を持つ人同士のコミュニケーションが成立するのは、異なる才能を併せ持つ「アンバサダー」と呼ばれる人たちのおかげだ。
・凡人の中には、「共感の神」がいる。「共感の神」は人間関係の機微に敏感で、天才を心から理解し、サポートすることができる。
・凡人にとって最強の武器は、「自らの言葉」だ。


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