【今日の一冊】ソニーCSL研究員が妄想する人類のこれから 好奇心が未来をつくる


好奇心が未来をつくる
ソニーコンピュータサイエンス研究所 (祥伝社)


レビュー

2018年、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)が創立30周年を迎えた。それを機に編まれた本書には、20名の研究員のインタビューが収められている。
まず驚かされるのが、その研究領域の広さ、多彩さだ。100%の子会社でありながら、ソニーの事業領域をはるかに超えた分野の研究が行われている。所長の北野宏明氏の言葉を借りれば、「現在のソニーの事業領域を意識しすぎては、当研究所としての使命を果たすことはできない。世界が大きく変化することを前提に、想定外の領域や技術・着想の引き出しを広く深くつくり上げておくことが重要な役割」だからである。
また「クレイジー」を自称するだけに、研究員の多彩な個性、異能・異才ぶりが際立つ。経歴はもとより、一人ひとり描いている未来も違えば、研究の動機も違う。科学に向き合う姿勢も違えば、問題意識も異なる。本書でも北野氏による前書きを除き、ひたすら研究員のインタビューが並べられている。個々の思想や研究をひとまとめにすることは不可能であり、あえて共通点を挙げるのであれば、それぞれの個性が際立っている点だけだ。そしてそれこそがソニーCSLなのである。
制約は最小限にして、できる限り研究員一人ひとりの自主性に任せること。そこにあるのは「自由」である。そうであるならば、何を読み取り、何を感じるか、読者にも最大限の自由と楽しみが許されているだろう。本要約では所長の北野氏を含め、6名のインタビューを取り上げる。


本書の要点

・研究をするということは、未来を切り開いていくということである。その原動力は、一人ひとりの強烈な想いから生まれる。
・最初の変化は、たった一人の研究員のイマジネーションと行動から発生する。それが動き出すと、一緒にやろうという仲間がかならず出てくる。そのようにして世の中が変わる流れが生まれる。ソニーCSLの役割は、その最初の流れをつくることである。
・研究分野は研究員の数だけあるといっていい。基礎研究から社会実装や事業化まで、「研究員の妄想」を一気通貫に現実化する体制をソニーCSLは整えている。


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