【今日の一冊】 声優という生き方


声優という生き方
中尾隆聖 (イースト・プレス)


レビュー

著者の中尾髏ケ氏は、アニメや声優に詳しくない人でも名前を聞いたことがあるかもしれない。それもそのはず、『それいけ!アンパンマン』のばいきんまん役、『ドラゴンボールZ』のフリーザ役という、2つのご長寿アニメで長年声を務めている業界のレジェンド的存在であるからだ。幼少期にこれらのアニメを観て育ち、その独特な声・セリフの真似をしたこともある方もいらっしゃるのではないだろうか。
そんな中尾氏は、芸能界に足を踏み入れてから声優一筋かと思いきや、キャリアのスタートは児童劇団であり、子ども時代はテレビ番組などにも出演していたという。声の仕事もしていたが、どちらかというと舞台やドラマの仕事をしたいと思っていた時期も長らくあったという。10代のときには、学業の傍ら夜の酒場でギター弾き語りのアルバイトをしたり、新宿二丁目でお店を経営していたりと、なんとも濃い人生を送っている方である。でも、とても楽しそうなのだ。ずっと演じることが好きで、そのまま続けてきたのだということが伝わってくる。
現在は俳優、声優、そして若い世代の声優の養成にも携わっている著者の役者人生と、その経験と絡めて、声優とはどのようなものなのかが、たっぷりと語られている本書。声優という職業に関心がある人にとっては良き入門書、そして声優を目指す人にとっては必読書となるだろう。また、好きなことで身を立てていきたいという人にとっても、本書はひとつの道しるべとなってくれるに違いない。


本書の要点

・数十年前は俳優の傍ら、声優の仕事もこなす人が多く、専業の声優はほとんどいなかった。現在、声優は人気の職業となり、仕事は全てオーディションで勝ち取る。オーディションの競争率は高いため、まず落ちるものであるから、落ち込む必要はない。
・著者は初めから声の仕事をしたかったわけではなかった。しかし、演じることが好きでただ続けていたら、人との出会いを通じて道が開け、声優としても俳優としても活躍できるようになった。
・作品に合う声、口調というのは、毎回異なる。それを見つける作業が声優の醍醐味でもある。


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