【今日の一冊】「リーダー」をやめると、うまくいく。 Being Management


Being Management
渡辺雅司 (PHP研究所)


レビュー

江戸時代から200年以上続く老舗の和菓子屋「船橋屋」に、就職希望の新卒1万7000人が殺到しているという。10年で経常利益6倍を達成したという船橋屋は、役員を社内選挙で選出するなど、ユニークな取り組みが注目を集め、メディアでも多く取り上げられている。しばらく前まで、いわゆる老舗企業であった船橋屋を激変させたのは、八代目当主である渡辺雅司氏だ。本書は、渡辺氏が、長年にわたって試みてきた「Being Management(経営)」についてまとめる一冊である。
このBeing経営とは、端的にいえば、一人ひとりの「幸せ」に重きを置いた経営ということだ。この経営は、「もっともっと」と欠乏感を充足させるように目標を設定したり、がむしゃらに成果を追い求めたりすることとは本質的に異なる。まず組織のメンバーの「幸せ」を実現することで、それぞれの仕事を好循環させ、それが自然に会社の業績につながっていくというのがBeing経営である。
本書では、実際の船橋屋での取り組みを紹介しながら、Being経営の考え方に立脚した組織論、人材開発、マーケティングなどを解説する。チームを率いる立場は何をすべきかについても本書に書かれているため、経営者だけでなく、多忙な業務に日々追われる管理職や中堅社員の方にも役に立つ一冊である。リーダーとして、本当にすべきことが見えてくるはずだ。


本書の要点

・「今、ここ、自分」を大切に、「幸せ」を経営の基準に据えるようになってから、船橋屋に好循環が生まれた。自らの心に素直に従って「ありのまま」を目指していくことが、「Being経営」の真髄である。
・社員の「幸せ」につながる組織運営の取り組みの一つが、選挙で幹部を選出する「リーダーズ選挙」である。
・船橋屋の人財開発では、一人ひとりが輝けるよう、「場の力」をつくることを仕事としている。そのための「公平な評価制度」をつくるにあたって、具体的な施策として取り組んだのが「職人マイスター制度」だ。


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