【今日の一冊】2030に生き残るために 世界で学べ


世界で学べ
大谷真樹 (サンクチュアリ出版)


レビュー

良い大学に入り、国内の知名度の高い企業への就職だけを目標にする日本の教育システム。子どもたちの目標はまず目の前の大学受験であり、社会に出てからの目標やキャリア形成に対するイメージを持つ者はきわめて少ないと言っていいだろう。このあまりに狭くて画一的すぎる日本の教育システムは、経済のグローバル化やインターネット社会の到来によって、諸外国に大きく遅れをとっている。
これら日本の教育システムの問題点と、世界レベルでのキャリア育成、そして向こう10年先に生き残るためにすべきことを指南するのが本書だ。「世界から見た日本」「世界に通用する人材」「お金に使われないために」「『学びの本質』に程遠い日本型教育」「2030に生き残るために」という5つのテーマを軸に、日本の教育システムに対する痛烈な批判と、近い将来さらに進むであろうグローバルスタンダード化、そして将来を生き抜くためのヒントがわかりやすく解説されている。
筆致や構成から推測すると、主な読者対象は教育関係者や、将来を担う子を持つ親のように見受けられるが、もしかすると凝り固まった大人にはかなり刺激的に感じられるかもしれない。だが本書には、それほど強烈で貴重な「本当の話」が多く綴られている。当の子どもや学生にこそ読んで欲しい一冊である。


本書の要点

・教育への投資を世界目線で長期的に考え、そこからのリターンを人生においてどう得るのか、その正しい方法論を学ばなければならない。そうしない限り、大学は出たものの、労働生産性の劣る日本企業で、大切な時間と人生を切り売りする生活に陥りかねない。
・残念ながら資本主義の世界では、株式会社は株主のものだ。どんなにすばらしい社員だったとしても、その人が会社を所有できるわけではなく、雇用される側にすぎないからだ。
・無意味な受験対策用の作業時間をゼロにすることで、可処分時間を最大化し、多様な学びを深めていくべきである。


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