【今日の一冊】なぜパフォーマンス評価は失敗するのか? 測りすぎ


測りすぎ
松本裕(訳),ジェリー・Z・ミュラー (みすず書房)


レビュー

「説明責任」と聞くと、どんなことを思い浮かべるだろうか。これはなにも政治家だけに求められる言葉ではない。何かの意思決定をするとき、評価をするとき、説明責任は常につきまとう。説明責任(アカウンタビリティ)という言葉には、「責任をとる」という意味に加えて「カウントできる」、つまり測定できるという意味もある。実際になにかを測定し、その実績を公表することによってのみ、説明責任を果たせると考える人は多い。
だがそのような「透明性」を追求していくことが、はたして適切なのか――本書はそう疑問を投げかける。事実として、測定基準を追い求めすぎることにより、さまざまな現場で弊害が起きている。警察が検挙率を上げるために死体の発見を阻止したり、医者が手術の成功率を上げるために難しい症例を避けたりするというのは、ドラマの中だけで起こっている話ではなく、現実に起きている問題だ。
一般的に測定と分析は、結果の有効性を論じるために、なくてはならないものだと信じられている。しかし本当にそうだろうか? 測定と分析がうまく機能する場合は限られている。機能していないケースで何が起きているかを知ることで、今後の実績測定に対する見方も変わってくるにちがいない。より良い意思決定を行うために、判断のもととなる情報源をしっかりと見極める目を養う。本書はそのための一冊だ。


本書の要点

・{{li:測定を行う際は、測定ミスや過剰測定、誤解を招く測定、非生産的な測定など、意図せず好ましくない結果が起こる可能性に留意すべきだ。}}
・{{li:数字は客観性があるような空気を醸し出し、主観的判断を排除しているかのような印象を与える。しかし重要なことすべてが測定できるわけではないし、測定できることの大部分は重要ではない。}}
・{{li:測定は判断の代わりにはならず、むしろ判断を要するものだ。測定基準をまったく使わないのが測定基準の最善の使用方法という場合もある。}}


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