【今日の一冊】ダイナミック・ケイパビリティの経営学 成功する日本企業には「共通の本質」がある


成功する日本企業には「共通の本質」がある
菊澤研宗 (朝日新聞出版)


レビュー

誠実なモノづくりを誇りにしてきたはずの日本の製造業で、ここ最近、不祥事が相次いで明らかになっている。特に現場における「データ改ざん」が常態化していたケースは、多くの人に衝撃を与えた。なぜ日本企業はこのような事態に陥ったのだろうか? そうした疑問を抱いた方も少なくないだろう。
著者の見立ては明快だ。問題の根は、1990年代以降に始まった、米国流の経営パラダイムの導入にあるという。米国流の株主主権論にもとづく市場ベースの経営と、日本の伝統的な組織ベースの生産システムとの間にミスマッチが生じ、それが限界に達したことで不祥事を生み出したのである。
このミスマッチを解消し、不祥事をなくすためには、日本企業は株主主権論にもとづく米国流の経営を放棄し、日本企業の古層に眠るダイナミック・ケイパビリティの経営へと回帰すべきだ。それが著者の提言である。それは、ビジネスの目標を、利益から売上・収益・シェアへとシフトさせることでもある。
それでは、「ダイナミック・ケイパビリティ」とは何か。それはどのような競争優位性をもたらすのか。そして、それを獲得するにはどうしたらよいのか。その解を提示していくのが本書である。本書からダイナミック・ケイパビリティ論の要諦を学び、実務に取り入れてみてはいかがだろうか。


本書の要点

・{{li:成功する日本企業は共通して「ダイナミック・ケイパビリティ」を持つ。それは、環境の変化を感知し、既存の知識、資産、人財、能力を再編成する「変化対応的な自己変革能力」である。}}
・{{li:日本企業はダイナミック・ケイパビリティを駆使すべきだ。利益のためにコストを削減するのではなく、人件費や減価償却費といった付加価値に積極的に投資をし、イノベーションをめざす経営に舵を切る必要がある。それは、米国流の市場ベースの経営から、日本流の組織ベースの経営への回帰を意味する。}}


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