【今日の一冊】 売り渡される食の安全


売り渡される食の安全
山田正彦 (KADOKAWA)


レビュー

種子法という法律を知っているだろうか。良質で安価な種子を安定的に供給することを目的として、戦後の日本で制定された法律だ。その背景には、「二度と国民を飢えさせてはならない」という政府の決意がある。
だがこの法律は、2018年に突如として廃止された。その背景には、巨大企業を中心としたビジネスに、日本がのみこまれつつある現状がある。本書では、農業に関する政府の動きから市民活動に至るまで、幅広い情報を整理しながら、種子法に端を発した日本の食の安全に関する非常事態に対して、その背景と対策が示される。
日本で販売される食品のうち、どこでどのように育てられてきたのかが表示されているものは、かなり少ないと感じる。販売する企業や日本政府が「安全」としている食品であっても、何を根拠にそう言っているか、私たちの多くは深く知ることはない。加えて著者が指摘するのは、日本のメディアでは、種子法廃止やアメリカのモンサント裁判など、食や健康に関するニュースはほとんど取り上げられないということだ。
本書では、現代の食に隠された衝撃的な事実が次々と明らかにされる。すでに動きはじめている各国の動きから、次に私たちが何をしなければならないかもまた、明確になることだろう。
食の安全をめぐる現状を冷静に整理し、日本の食を守るためには何をすべきなのかを知りたい読者へ、一読をお勧めしたい。


本書の要点

・{{li:種子法の廃止により、農家へ供給する種子を生産していた都道府県は、予算不足に陥った。今後、資金力のある企業が農業に参入することで、米の価格が高騰する可能性がある。}}}}
・{{li:アメリカでは、強力な除草剤とそれに耐性のある遺伝子組み換え食品のセット販売が拡大した結果、生態系が破壊されただけでなく、がんの発症などの健康被害が報告されている。}}}}
・{{li:世界各国は、健康被害をもたらす除草剤を規制し、人体や土壌にも優しい食品を選びはじめている。日本でも次世代に向けて、地方からうねりが起きつつある。}}


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