iPadと「Apple Music」で超高音質「ハイレゾロスレス」を満喫する方法

iPadと「Apple Music」で超高音質「ハイレゾロスレス」を満喫する方法

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【iPadで始めるAV環境最強化計画】
iPhoneユーザー、iPadユーザーの皆さん、「Apple Music」契約していますか? 「Apple Music」は個人月額980円で7500万曲以上を聴き放題の、アップルユーザーに最も身近なサブスク音楽配信です。

僕は最近「11インチiPad Pro(第3世代)」(2021年モデル)を買ったタイミングで、他社のサブスク音楽配信から「Apple Music」に戻ってきました。

「Apple Music」に復帰した一番の理由は、今年6月に実施された「ロスレスオーディオ」「空間オーディオ」に対応したアップデートです。月額980円の価格を据え置いたままで実施されたこの新機能によって、「Apple Music」は現時点で最高音質のオーディオリスニングをできる条件が揃いました。

そこで、ちょっとマニアックになりますが、iPadと「Apple Music」を使った音楽リスニングに関して、設定やイヤホン・ヘッドホンなどの環境を整えていこうと思います。

iPadで「Apple Music」を利用するのはとても簡単です。Apple IDを通してサブスクリプションのを契約していれば、標準の「ミュージック」アプリが、そのまま「Apple Music」と一体化されています。国内外の7500万曲が配信され、ライブラリやプレイリストなどはiPhoneなどの他のデバイスとも連携します。

ただ、初期設定のままでは最高の音質で音楽を聴くことはできません。音質劣化のない「ロスレス」は、手動で設定する必要があります。

 

■「オーディオの品質」から「ロスレス」「ハイレゾロスレス」を設定

「Apple Music」で最新の「ロスレスオーディオ」「空間オーディオ」を有効にするには、「設定」のメニュー内にある「オーディオ」の項目から、「オーディオの品質」を設定する必要があります。

「オーディオの品質」で「ロスレスオーディオ」を有効にしたら、<モバイル通信ストリーミング><Wi-Fiストリーミング><ダウンロード>という3つの環境時のオーディオ品質を、

「高音質」(従来の形式)
「ロスレス」(ALAC 最大24bit/48kHz)
「ハイレゾロスレス」(ALAC 最大24bit/192kHz)

から設定します。ALACはApple Losslessの略で、過去にはiTunesでのCDからの無劣化リッピング等でも用いられてきました。ちなみに、「ロスレス」は基本的にすべての曲、「ハイレゾロスレス」はライブラリのごく一部になります。

オーディオ品質は利用スタイル次第で決めればいいのですが、モバイルストリーミングの場合は“通信容量”、ダウンロードの場合は“ストレージ容量”が問題になります。僕の場合、iPad利用シーンはもっぱらWi-Fiの整備された自宅なので、曲はダウンロードせずWi-Fiストリーミングで「ロスレス」以上の高音質で聴いています。

また、「ハイレゾロスレス」を選択すると「外部ハードウェアの使用を推奨」というメッセージが出てきます。この「ハイレゾロスレス」の活用法は後半で紹介します。

オーディオ品質を「ハイレゾ」に設定して「Apple Music」の音楽をiPad Proの内蔵スピーカーで流してみましょう。すると、音の鮮明さ、厚みがアップ。これが追加料金もなく利用できるなんて、通信容量やストレージ容量に問題なければ、やるだけお得な設定です。

 
■お手軽に聴くならBluetoothのワイヤレスイヤホン
設定を済ませたら、次は何で聴くかです。イヤホンやヘッドホンを使って高音質で「Apple Music」を聴く場合、どうすべきか。

イヤホン、ヘッドホン選びで最初の選択肢となるのは「AirPods」「AirPods Pro」「AirPods Max」などのアップル純正製品です。Bluetoothでワイヤレス接続できるし、接続も簡単。もちろん、多数発売されているサードパーティー製のBluetoothワイヤレスイヤホンも接続できますよ。

技術的な視点で見ていくと、iPadのBluetoothでワイヤレスで音楽データを伝送する際はAACコーデックで再圧縮が行われます。当然ながらワイヤレス伝送による音質劣化は生じます。最高価格の「AirPods Max」(6万7980円)でも例外ではないので、ここはアップルによる技術革新が遅れている部分です。

なお、オーディオ品質を従来の「高音質」のままでワイヤレスで伝送するパターンと、「ロスレス」に引き上げてワイヤレスで伝送するパターンで聴き比べてみると、二重の劣化を回避できる「ロスレス」の方がやっぱり音質面で有利ですね。

ちなみに「高音質」と「ロスレス」でどのくらいの違いが出るかですが、格安価格帯のモデルであるSOUNDPEATS「Truefree 2」(実勢価格:4580円前後)ではほぼ違いが分からないレベル。でも1万円オーバーとなるAVIOT「TE-D01t」(実勢価格:1万980円前後)では十分聞き分けられる差があるので、ちょっと良いワイヤレスイヤホンを所有しているなら「ロスレス」を試してみる価値アリです。

 
■外部のUSB DACと有線イヤホン・ヘッドホンで「ハイレゾロスレス」を再生

とはいえ、やはり「ロスレス」や「ハイレゾロスレス」を無劣化で聴くためには、有線イヤホン・ヘッドホンの接続が必須です。ただ、iPadの種類によってはiPhoneと同じく3.5mmヘッドホンジャックの廃止が進んでいて、僕の「11インチiPad Pro(第3世代)」(2021年モデル)にもヘッドホンジャックは存在しません。そこで必要になるのがサードパーティー製のUSB DAC(Digital Analog Converter。ヘッドホンアンプ、ポタアンとも呼ばれます)です。ここからは少々マニアックな世界になっていきます。

今回は中国メーカーであるSHANLING製の「UA2」というUSB DACを接続しました。ちなみにiPadは、モデルによって端子がLightningだったりUSB-Cだったりしますが、「11インチiPad Pro(第3世代)」(2021年モデル)は後者のUSB-C端子のモデル。Lightning端子で接続可能なUSB DACも存在します。

現在市販されているUSB DACはサードパーティ製でも互換性が高く、SHANLING「UA2」も特別な設定なしにiPad ProのUSB-C端子からの電力供給のみでスムーズに動作しました。USB DACはそもそもイヤホンやヘッドホンを高音質に鳴らすためのデバイスなので、「ハイレゾロスレス」対応製品がほとんどです。

iPadにUSB DACを接続してしまえば、有線のヘッドホンやイヤホンは何でも接続できます。例えば、僕が試したAKG「K371」というハイレゾ対応の密閉型モニターヘッドホンで「ハイレゾロスレス」を聴くと…もう音の密度感、解像感まで、ワイヤレスとは別格の高音質。

予想以上の音質に気を良くしてfinal「A8000」という超高級イヤホン機種も接続してみると、音の繊細さ、音数、音空間の広がりまで桁違いでした。これはもはや、ハイレゾ音楽プレイヤーの世界です。
*  *  *
高音質を追求し始めると、どうしてもマニアックになっていきますが、「Apple Music」の「ロスレス」「ハイレゾロスレス」は、そんなマニアすらも注目するようなポテンシャルを秘めています。これが追加料金なしの個人月額980円で聴けるなんて、「Apple Music」はお得なサブスク音楽配信だと思います。

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<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長
 

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