第60回静岡ホビーショーでプラモの達人が気になった最新プラモデル5選

第60回静岡ホビーショーでプラモの達人が気になった最新プラモデル5選

第60回静岡ホビーショーでプラモの達人が気になった最新プラモデル5選の画像

2020年、2021年は新型コロナウイルスの影響で一般公開を自粛し、業者のみでの開催だった静岡ホビーショーが、3年ぶりの通常開催。第60回となる節目の開催でしたが、事前登録制だったにもかかわらず一般公開日の5月14日と15日は2日間とも会場のツインメッセ静岡は大変な賑わいとなりました。主催者発表では5万3000人が来場したそうです。

同時に開催されたモデラーズクラブ合同作品展も大盛況。会場の外には自衛隊広報コーナーも復活し、陸上自衛隊の16式軌道戦闘車や軽装甲機動車の実物が展示されました。まぁぶっちゃけホビーショーは“ホビーのお祭りイベント”ですから!

そんな静岡ホビーショーが終わって約3週間、いまだ虚脱気味ではありますが、今回は独断と趣味丸出しで選んだ気になるアイテムを紹介しましょう。

 

【達人注目度 1位】
映画公開から53年!次々とキット化される『2001年宇宙の旅』メカ
メビウスモデルス
「2001年宇宙の旅 1/72 スペースクリッパー・オリオン号&アリエス号」
(37400円、46200円)

SFマニア、それも映画『2001年宇宙の旅』好きを公言している身としては大注目のキットであります。スペースクリッパー・オリオン号は2021年8月にアメリカのラスベガスで開催されたIPMS全国大会の会場で発表され、やっと発売が決定したもの。

完全新金型、完成後のサイズが約73センチ! コクピットや客室内部など撮影の使われたプロップを完全再現と言われたら注目しないワケにはいかないでしょう!

すでに発売中の1/48のアリエス号(劇中に登場する月着離船)は初のキット化ですが、こちらもキャビン内部をはじめ脚、ロケットエンジンのディテールなども再現。オリオン号と併せてコレクションしたいです。

ちなみにメビウスモデルは『2001年宇宙の旅』のメカを次々とプラモデル化しているのだけれど、現在は劇中に登場する建造中の宇宙ステーションのモデル化を進めているとのこと。映画公開から54年、次々と登場するプラモデル…いやぁモデラーやってて良かった! あと、あの宇宙服をキット化して欲しいですね1/12位のスケールで。

こちらは以前制作したメビウスモデルの1/144モデル。完成後30cm程で、スタンドモデルなので机に飾りたくなるサイズ。ちなみに現在でも購入可能です(※キットにはパンナムのロゴマークは付属していません)。

>> プラッツ

>> メビウスモデルス

 
【達人注目度 2位】
金型加工機を新調してまで作り上げた完全新設計F-2
ファインモールド
「1/72航空自衛隊 F-2A戦闘機」(3740円)
※6月発売予定

F-2は、F-1支援戦闘機(2006年に全機退役)の後継機として、米空軍が採用するF-16をベースとして日本独自の運用構想や地理的特性に合わせ、日米共同で開発した戦闘機です。スケールモデルとしてはハセガワが1/72と1/48でキット化していますが、今回ファインモールドから最新考証による完全新設計の1/72モデル化を発表。飛行機モデラーをざわつかせました。

キットは、連載【達人のプラモ術】で製作したF-4ファントムと同様に、ファインモールドのこだわりが炸裂しております。

設計にあたり航空自衛隊 浜松基地の実機を取材。「ブレンデットウイング」と呼ばれる、機体上面の頂点から主翼へと繋がる曲面は、設計データから3Dプリンタによる試作品出力を製作。これにパテを「盛った削った」して検証、を納得のいく形状になるまで3回繰り返しているそうです(個人的な意見ですがフォルムの再現って数値じゃなくてセンスなんですよね、だからこの作業が実にモデラー的で良いなぁと思うワケです)。

また今回のF-2のため「金型加工機を新調しちゃった」(鈴木社長談)そうで、実機の主翼、下面と桁が一体構造で上面の外板がファスナーで止めてある構造(マイナスネジのすりわり状くぼみ)表現やパーツ側面部分のディテールのシャープさが向上しているそうです。

会場で特別にテストショットを組ませてもらったのですが、胴体内部を貫通するインテークパーツが胴体上下をしっかりと保持(これがまた寄木細工みたいにピタリと組み合わさる)するし、パーツの接合部が実機のパネルラインと同一の部品分割になっていて、モデラー視点で言わせてもらえば、これって塗装の際のマスキングが格段に楽になる嬉しい配慮なんですね。

会場では同時に複座型のF-2Bも発表されて、発売が待ち遠しいです!

>> ファインモールド

 
【達人注目度 3位】
アイルトン・セナのモナコGP初優勝マシンを作りたい!(いやマジで作りたいです)
BEEMAX(プラッツ扱い)
「1/12 ロータス99T モナコウイナー」(2万6000円)
※8月発売予定

1/12 ビッグスケールF-1のプラモデルというと、まず頭に浮かぶのはタミヤですが、今回カーモデルのBEEMAX(ビーマックス)から1/12 ロータス99T モデルが登場!1/20ではタミヤがリリースしていますが、同スケールでは初のキット化となります。

キットは、1987年のモナコGP優勝車を再現(アイルトン・セナのモナコGP初優勝車でもあります)。でも99Tといえば日本人初のF1レギュラードライバー中嶋悟のマシンとしても人気です。87年のイギリスGPでは99Tを駆ってセナが3位、中嶋が4位に入賞しています。いやぁキャメルイエローが目に眩しいですな!

キットにあたってはクラシックチーム・ロータスの協力も受けて実車資料と当時の記録を参考に詳細に再現。エンジンやコクピット等の精密再現がビッグスケールF-1の魅力なワケですが、本キットもモノコックから前後サスペンション、最強のホンダV6ツインターボエンジンまで、ビッグスケールならではの精密再現が成されています。 当然ながらカウルは完成後の着脱も可能です。

会場では解説されていなかったけれど、キットのカウルを見ると、ターボのシュノーケルが出る位置が2ヶ所開口されているのと、前後の翼端版はフロントが大きいタイプ、リアは初期のタイプとなっていたので、初期から中期までのタイプも作れるみたいです。期待大であります!

>> プラッツ

>> BEEMAX

 

【達人注目度 4位】
双胴の悪魔と呼ばれたP-38はエース機で作りたい!
タミヤ
「1/48 ロッキードP-38Jライトニング」(6600円)
※7月発売予定

2019年に発売されたロッキードP-38F/GライトニングのJ型が新たにキット化されました。なんだバリエーションモデルか、と言うなかれ、F/G型に比べてエンジンカウリング下部に移設され大きく張り出したインタークーラーや、航続距離の延伸のために前縁に燃料タンクを増設した主翼、前面ガラスが平面になった第1風防など、後期型の特徴を精密再現しているのは、流石のタミヤクオリティとなっているんですよ。

以前F型は製作したのですが、“双ブーム”という特徴的な機体でありながら、驚くほど組みやすく、前脚収納庫と一体化した主桁部品、一体化した水平尾翼など、実にカッチリとした構成で、機体のアライメントを正確に再現できるといった特徴は今回のJ型でも引き継がれています。

キットには当時アメリカ全軍の戦闘機パイロット中でトップとなる40機撃墜を記録したエースパイロット、リチャード・ボングの愛機マージ号(機首に婚約者の写真を大きく引き伸ばして貼っていたことで有名な機体)のデカールが付属しています。ちなみに帰国後にめでたくマージ嬢と結婚したそうです。

戦後、ボングはジェット戦闘機P-80のテストパイロットを務め、1945年に離陸時の事故で亡くなっています。双発双ブームということもあってP-51マスタング等と比べても、ひと回大きく存在感もあるP-38ライトニングは達人オススメの飛行機モデルであります。

>> タミヤ

 
【達人注目度 5位】
F-1史上に輝く伝説のシックスホイーラー
タミヤ
「1/12 タイレルP34 シックスホイーラー 」(1万4080円)
※9月発売予定
(エッチングパーツ付きは1万5180円 ※8月発売予定)

5位もタミヤ。こちらは久々に再販となったタイレルP34 シックスホイーラーであります。F1史上初の前4輪、後2輪という特異なタイヤ配置を持つ6輪車として1975年9月22日に発表され、一大センセーションを巻き起こしました。6輪というコンセプトは空気抵抗の減少、ブレーキ性能の向上、そして操縦性の改善を目標に設計されたそうです。ロンドン・ヒースロー空港で行われた発表会では、これは何のジョークだと勘違いした記者もいたそうで、それだけセンセーショナルなデザインだったんですね。

1976年パトリック・デパイユのドライブによりスペインGPでデビュー。同年6月第7戦のスウェーデンGPではジョディ・シェクターが優勝! デパイユも2位を獲得しています。そしてタミヤのタイレルP34の発売は1977年(もう45年前!)でした。1976年の日本GPでの活躍(パトリック・デパイユのドライビングで2位入賞)もあって現在でも人気が高いモデルで、今回は2017年以来の再販です。

1/12スケールだけに全長336mm、全幅166mmと見ごたえのあるサイズで、前後サスペンションはコイルスプリングにより可動。4本の前輪は実車同様のラック&ピニオン・ステアリングシステムでハンドルと連動して動きます。

点火コードや燃料パイプが配線・配管も再現された3リッターV型8気筒のフォードDFVエンジンのディテールはいま見ても古さを感じません。

エアファンネルは、よりリアルなアルミ切削製が追加され、デカールも高品質のカルトグラフ(イタリアのデカール専門メーカー)製が付属します。

ちなみに今回、1/20タイレルP-34 1976日本GP、1/12タイレル003 1971モナコGP、さらに1/12ルノーRE-20ターボも発表されています。こちらも注目度大です!

>> タミヤ

えー、タミヤの新製品に関しては、公式サイトの動画で僭越ながら、詳しい解説をさせていただいております。ぜひそちらも御覧ください。
▼1/48 ロッキード P-38J ライトニング

▼カーモデル編

▼ミリタリーモデル編

 

【選外だけど気になる編その1】
mpc(プラッツ扱い)
「1/25 ゴジラ防衛線105ミリ無反動砲搭載型MB」(5800円)

いやー。この手に弱いんですよ。展示も油断していると見落としてしまうくらい地味でした(笑)。東宝のゴジラ映画ではお約束というか、定番の自衛隊メカであります。

キットは大味ではありますが、いかにもな雰囲気が堪りませんね。絶対にマニアウケ狙っているだろう感溢れるボックスアートがいい味出してます。イラストのゴジラの顔はモスラ対ゴジラ版…いや怪獣総進撃版か…まぁキットにはゴジラが付属していないですけど、気になります。

>> プラッツ

 
【選外だけど気になる編その2】
ウッディジョー
「組子行燈」(2500円)

ウッディジョーは本格的な木製帆船キットや日光東照宮陽明門といった歴史建造物の木製モデルを発売しているメーカーです。大人の趣味って感じの本格木製キットも良いのですが、今回目にとまったのは、この組子行燈でした。木製キットでLEDでちゃんと光るんですねぇ。侘び寂びの世界を模型で再現、いいですなぁ。

>> ウッディジョー

 
【選外だけど気になる編その3】
エアテックス
「水冷式塗装ブース」(価格・発売ともに未定)

今回会場でとても気になったのが、エアブラシやスプレーブースなどを幅広く展開するエアテックスが展示していた水冷式の塗装ブースです。従来の空気を吸い込むタイプの塗装ブースに、流れる水のカーテンを加えたことで、塗料のミストが水に吸着されてより塗装時のダストを清浄化できるそうです。まだ試作段階とのことで、さらに改良を加えて発売を目指すとか。エアブラシ塗装の際により強い味方になってくれそうで、今後に注目です。

>> エアテックス
*  *  *
3年ぶりに一般公開された第60回静岡ホビーショー。一般公開初日である5月14日土曜日は雨という悪条件でしたが、それでも賑わいを見せました。コロナ対策にも力を入れての結果だと思います。

模型店でキットを選ぶのも楽しいですが、新製品を見て、手に触れられるホビーショーはモチベーションアップに繋がります。今年10月には、やはり開催が自粛されていた全日本模型ホビーショーの開催も決定しました(10月1~2日 東京ビッグサイト南展示棟1・2ホールにおいて開催予定)。こちらも今から期待大ですね!

<取材・文/長谷川迷人>

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中。

 

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