新型「レヴォーグ」はココがスゴい!@スバル気合いの全面刷新でもっと使えるワゴンに

新型「レヴォーグ」はココがスゴい!@スバル気合いの全面刷新でもっと使えるワゴンに

新型「レヴォーグ」はココがスゴい!@スバル気合いの全面刷新でもっと使えるワゴンにの画像

8月20日に先行予約の受付を開始して以来、メディアやSNSで爆発的に話題を呼んでいるスバルの新型「レヴォーグ」。10月15日に予定される正式発表を前に、改めてその実力と魅力を検証したい。

前編となる今回は、内外装デザインやインテリアの機能性、そして、ステーションワゴンのキモというべき荷室の使い勝手にフォーカスする。

■精悍なマスクのためにボディサイズを吟味

今、ステーションワゴンを選ぶ人は“相応の理由”を求めるに違いない。室内の広さを重視するならミニバンという選択肢があるし、人気という点では今や多数派となったSUVというチョイスだってある。それでもあえてワゴンを選ぶということは、このスタイルでしか得ることのできない“何か”を求めてのセレクトだと思うのだ。

そんな中、日本を代表するステーションワゴンであるレヴォーグが間もなく初のフルモデルチェンジを迎える。そのプロトタイプに触れてみて、果たして、ステーションワゴンを選ぶべき理由や価値を感じ取れたのか? 今回はそんな視点からレポートしてみたい。

新しいレヴォーグで何より気になるのは、まずスタイルではないだろうか。ミニバンではなくSUVでもなく、ステーションワゴンを選ぶ人の多くは、見た目に大きな期待を寄せているに違いない。躍動感、シャープさ、そしてスタイリッシュであること。加えて、SUVとの明確な違いとして、低く構えたフォルムの美しさを感じられるかどうかも気になるポイントだ。

結論からいえば、心配は無用。新型レヴォーグは、ステーションワゴンならではのスポーティ感を十分感じられるダイナミックな造形だと断言できる。まず、キリリとしたヘッドライトを含むフロント回りは、空気を切り裂くようなシャープさを表現。「いかにも走行性能が高そう」という印象を見た目からアピールしてくる。

実は新型レヴォーグは、従来モデルに対して全長が65mm伸びているが、その大部分はフロントオーバーハングの延長に充てられている。開発スタッフにその理由を尋ねると「衝突安全の追求という側面もあるが、何よりもデザインを重視したため」という答えが返ってきた。従来モデルより明らかに精悍なフロントマスクは、微細なボディ寸法の調整による産物なのである。

そんな新型レヴォーグで新しさを感じさせるのが前後フェンダーの造形だ。前輪側は、尖ったフロントマスクからつながることで張り出しを強調。一方の後輪側は、リアドアの後方からプレスラインをつないでワイド感を強調するとともに、キャビンの後方を内側へ絞り込むことで存在感を強めている。結果、前後フェンダーが張り出し、タイヤの踏ん張り感が効いているように見える上に、ボディサイドの抑揚が強調されている。従来モデルより力強く感じられるのは、ここに要因がありそうだ。

そしてもうひとつ注目したいのが、リアのクォーターウインドウの形状。後方へ行くに従って上部が下がり、天地が狭くなっていた従来モデルに対し、新型のそれは後方へ行くに連れて下部が持ち上がることで、天地を狭まって尖っていく。この処理が、サイドから見た時の躍動感を大幅に強めているのだ。

エッジを強調したソリッドな面構成と尖ったフロント回り、そして張り出したフェンダーで重心の低さを感じさせ、スポーティな印象が大幅に強まった新型レヴォーグ。ミニバンはもちろんSUVとも一線を画す、走りの良さを印象づけるダイナミックな雰囲気であり、このスタイリングだけでも、あえてステーションワゴンを選ぶ充分な理由になり得ると感じた。
■サーキットでも不安を覚えない秀逸なシート

それでは新型レヴォーグに乗り込んでみよう。ドアを閉じると、いかにも車体が頑丈そうで、安心感を感じさせる重みのある音が聞こえてくる。それとともに、閉まる直前の操作フィールが良好だ。これは、新型レヴォーグのこだわりのひとつであり、高い反力で乗員がドアを閉める操作をサポートしてくれる。その要因となっているのが、ドアヒンジ部の“チェッカー”と呼ばれるパーツ。一般的なラバー式ではなく、コイルスプリング式とすることで、閉める際の操作感をチューニングしたという。こうした開発陣の心配りが、新型レヴォーグに触れた時の満足感や“いいモノ感”を大いに高めてくれる。

続いて運転席に座ってみる。着座位置自体はワゴンとして特筆すべきほど低くはないが、前方に広がるスポーティな視界は、着座位置の高いミニバンやSUVでは決して得られないもの。この感覚もまた、ステーションワゴンを選ぶ理由になり得るだろう。

そして、座ってみて何より驚いたのはシートの構造だ。座面のサイドサポート部にしっかりと鉄のフレームが入り、クルマが旋回中に乗員のカラダを支える“ホールド性”を高めている。こうした構造はスポーツカーであれば当然のものだが、昨今の乗用車では採用例が少ない。こうしたシートの構造からも、新型レヴォーグが単に走行性能だけでなく、それを指揮するドライバーの運転環境までもしっかり整えていることが理解できる。実際、前席のホールド性は確かなもので、サーキットを走らせても不満を感じることはなかった。
■縦長ディスプレイに見える試行錯誤の跡

そんな新型レヴォーグのインテリアにおけるハイライトは、インパネのデザインと各種デバイスのレイアウトだ。

上位モデルには、中央部に11.6インチの縦長インフォメーションディスプレイをインストール。縦長のディスプレイは、輸入車勢ではテスラやボルボの最新世代が、日本車ではトヨタ「プリウス」などが先行採用しているが、新型レヴォーグは従来モデルからの変化が大きく、一気にデジタル化が進んだ印象が強い。

しかも新型レヴォーグのそれは、単に真新しさを追求しただけでなく、使い勝手に優れる点も好印象。輸入車勢のように、ディスプレイが大きいからといってナビゲーションから空調、オーディオ類までほぼすべての操作系をタッチパネルに集約するのではなく、オーディオや空調の基本操作は、画面左右に配された物理スイッチでも行えるようにしている。

運転中、操作頻度の高い機能は、サッと手を伸ばして扱えた方がやはり便利だし、安全運転の観点から見ても有効だ。輸入車勢は、タッチ操作と並行して音声入力を導入しているが、そこまで先に進まず、慣れ親しんだ従来の方法でも扱えた方がいいケースも多いはず。「運転しながら違和感なく操作するにはどうしたらいいか?」という地味なテーマにも、スバルの開発陣が真摯に取り組んだ様子が伝わってくる。

ちなみに縦長のインフォメーションディスプレイは、標準装備されていない一部のグレードにもメーカーオプションとして装着可能だ。価格はまだ明らかになっていないが、非装着車は室内が質素な印象となるため、ぜひ選択することをオススメしたい。

そのほか上級グレードは、フル液晶のメーターパネルも採用している。画面内にナビゲーションの地図を映し出せるなど、日本車としてはかなり思い切ったレイアウトであるほか、好みに応じて一般的なアナログメーター風のデザインや、先進安全装備“アイサイト”の作動状況を把握できる表示にも切り替えられる。液晶パネル自体は高精細でグラフィックも美しく、サーキットを走っていても見づらさは感じなかった。

ちなみにリアシート回りのスペースは、従来モデルよりも足下の空間が広くなり、輸入車ではほぼお目にかかれないリクライニング機能(3段階)も用意されている。実際、座ってみたが、居心地は上々だったことを報告しておきたい。

新しい時代の到来を感じさせつつ、スポーティなドライビングもしっかりサポート。それでいてリアの空間は快適性にも優れる。コックピットを始めとする車内環境は、それぞれの明確な目的が伝わる仕立てとなっている。
■日常生活では荷室床下の空間だけで事足りる?

さて最後に、ステーションワゴンのキーポイントというべきラゲッジスペースについても触れておこう。

ラゲッジスペースの床上部分の容量は、従来モデルの489Lに対し、492Lとわずかに拡大している。2003年から2009年にかけて販売された4代目の「レガシィ ツーリングワゴン」のそれが458Lだったことを考えれば、新型レヴォーグは積載性に優れていることは明らかだ。

しかし、新型レヴォーグのラゲッジスペースで一番衝撃を受けるのは、フロア下のスペースだ。前後長は最大682mm、幅は最大696mm、そして深さは最大290mmと従来モデルのそれより広い、69L(従来モデルは40L)という大容量のサブトランクが備わっているのだ。試しに40Lサイズのキャスター付きケース(航空機の機内に持ち込める最大のサイズ)を入れてみたところ、縦にも横にも収まる驚きの広さ。日常生活においては、もしかしたら床下のスペースだけで事足りてしまうのではないだろうか。

ちなみに同じセグメントのSUVでは、新型レヴォーグほど面積の大きい荷室フロアは確保されておらず、荷室容量は高さ方向で稼ぐ設計になっている。荷室容量だけでなく、荷物の出し入れを始めとする荷室の使い勝手なども考慮すれば、ステーションワゴンを選ぶ価値は十分あるといえるだろう。

ステーションワゴンでしか成し得ないシャープでダイナミックなルックス。先進的かつスポーティな走りにもしっかり対応し、リアシート回りも快適な室内空間。そして、ステーションワゴンならではの広さと実用性を期待できるラゲッジスペース…。新型レヴォーグからは、あえて今、ステーションワゴンを選ぶべき価値を存分に感じ取れた。そんな新型レヴォーグにおいて、筆者は先進性において予想を超えたインテリアのデザインや多彩なデバイスに、最も驚かされたことを最後に告白しておこう。

※「Part.2」では、新型レヴォーグの走りの実力に迫ります

<SPECIFICATIONS>
☆STIスポーツ EX(プロトタイプ)
ボディサイズ:L4755×W1795×H1500mm
車重:1580kg
駆動方式:4WD
エンジン:1795cc 水平対向4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:CVT
最高出力:177馬力/5200〜5600回転
最大トルク:30.6kgf-m/1600〜3600回転
(スペックはプロトタイプによる開発目標値)

<SPECIFICATIONS>
☆GT-H EX(プロトタイプ)
ボディサイズ:L4755×W1795×H1500mm
車重:1570kg
駆動方式:4WD
エンジン:1795cc 水平対向4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:CVT
最高出力:177馬力/5200〜5600回転
最大トルク:30.6kgf-m/1600〜3600回転
(スペックはプロトタイプによる開発目標値)

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文/工藤貴宏

工藤貴宏|自動車専門誌の編集部員として活動後、フリーランスの自動車ライターとして独立。使い勝手やバイヤーズガイドを軸とする新車の紹介・解説を得意とし、『&GP』を始め、幅広いWebメディアや雑誌に寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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