死後の世界、臨死体験、完全に死んだ人の意識と精神… 著名博士が発表した最新研究がやばい!

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 死を迎えた後、我々はどうなるのか――。ある科学者がこの謎に時間をかけて取り組んでいる。

■死の閾値を超えた人間の精神と意識に何が起こっているのか?

 古来から多くの宗教や思想が死後の世界が存在することを示唆しているが、その真偽のほどは死んでみないとわからないと言えるだろう。

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 その一方で、死の淵から生還した臨死体験者が垣間見た死後の世界の“入口”を物語る興味深いストーリーも世界各地で報告されていることはご存じの通りだ。

 死後の世界の研究は一般的なサイエンスの研究対象外となるが、それでもなんとか糸口をつかめないものかと奮闘しているのが、米ニューヨーク大学ランゴーン医療センターのサム・パーニア博士が率いる研究チームだ。

 パーニア博士は2008年から心肺停止患者の臨死体験を収集して分析する「AWARE」と名づけられた研究に取り組み、2016年からは心肺停止が予期される患者に機器を取り付けて脳波などの各種のデータを収集する「AWAREU」の研究をスタートさせている。

 あくまでもサイエンスの立場から臨死体験の研究に取り組むパーニア博士は、昨年9月にヨーロッパ蘇生協会(ERC)が主催するシンポジウム「Resuscitation 2018」に登壇している。「心停止中の意識、精神的および認知的経験(Conscious Awareness, Mental and Cognitive Experiences During Cardiac Arrest)」と題された講演の中でパーニア博士は興味深いレポートを行ったのである。

 まず博士は、医学の進歩により「本質的に死の淵に達した人々を連れ戻すことができるかなり長い時間枠を今我々は持っています」と述べている。心停止後の蘇生技術は着実に進歩しているのだ。

 蘇生技術の進歩のいわば反対側にある、死の閾値を超えた人間の精神と意識に何が起っているのかについての研究に取り組んでいるパーニア博士は、「実のところ“臨死体験”という言葉を使うのは好きではない」と話している。博士たちが対象にしている患者は、正確には“臨死”ではなく、医学的に一度は完全に死んだ人々だからである。しかしながらこの“臨死体験(Near Death Experience、NED)”は、言葉としてすでに一般に浸透していることから、あえて使用するということだ。

 そして臨死体験をした各々の患者から死後の世界での体験について話を聞くと、奇妙な一致が多々みられるとした上で博士は説明を行っている。

■天井から病室を見下ろしている

 臨死体験者からの500もの臨死体験談におよそ共通しているのは、病室の天井から直下を見下ろしていて、ベッドに横たわる自分の身体とその周囲で働いている医師と看護師を見ている光景であるということだ。

 同じような典型的な臨死体験をしたというスティーブ氏も報告しており、これに付け加える形で次のように述べている。

「私のすぐそばに、心地良くなる存在がいることを確認しました。私を安心させる存在であると同時に、それは偉大で力強い存在でもありました」

「それから私は、これまでの人生で体験した重要な瞬間を見ました。しかしそれは第三者の視点から見るという体験でした。そして驚くことに、その体験でもたらされた苦痛や心の痛み、傷心などを感じることができました」

 スティーブ氏はまさに“走馬灯”のように、第三者の目から在りし日の自分の人生を振り返っていたということになるが、こうした体験もまた臨死体験者からよく聞かれるということである。

 また、パーニア博士が直接話を聞いた3歳児の臨死体験者も同じく病室の医師と看護師の姿を見たと話している。医学的な死の間じゅう、彼は明るいランプの光を見て、自分の身体がコードで(天に)つながれていたと両親に話しているということだ。このようにそれぞれの臨死体験談は不思議に似通った内容なのである。

■「心停止中に患者は一連の経験をしている」

 スピーチの終盤でパーニア博士は現在取り組んでいる「AWAREU」の研究について説明している。

 臨死体験者へのインタビューが主な活動であったそれまでの研究に加えて、「AWAREU」では心停止が起きそうな患者に脳波と脳内の酸素量を測定する機器を装着して、脳の様子をモニターしている。

 しかしながら、検証の対象となった臨死体験者から話を聞ける確率は少なく、接触できた患者は、まだごくわずかな数であるという。とはいえこのわずかなケースから、どうやら脳活動が止まった時から臨死体験が始まっていることが示されているということだ。

「AWAREU」の開始から調査対象内の心停止は3668件あったが、そのうちの2266件は研究チームの活動時間外に起きており、残る1402件のうちに研究チームが実際に現場に駆けつけて、蘇生の措置を講じつつモニタリングができたのは371件にとどまっている。

 さらにその371件のうちに200件は残念ながら蘇生措置中に帰らぬ人となり、171人のうち133人はその後の入院中に亡くなり、残った38人の患者からようやく話を聞くことができたということだ。心停止件数のわずか1%ということになる。

「(38人から話を聞いて)我々がわかったことは、患者はそれぞれに一連の経験をしていることです。何人かの患者は心停止の間に意識があったという実感を持っています。またある人は(よくある)典型的で神秘的なタイプの臨死体験を経験しています」(パーニア博士)

 2020年9月末までに1500人の事例を収集するという「AWAREU」の当初の目標達成は難しそうだが、さまざまな医学の分野、特に蘇生医療においてこの研究が大きな貢献をすることが期待されている。そしてもちろん謎に包まれた臨死体験の解明にサイエンスの側から光が当てられるものにもなるだろう。
(文=仲田しんじ)

※イメージ画像:「Gretty Images」