「人口の半分が死ぬ」「世界は終焉」地球温暖化対策を著名専門家が批判! 一体なぜ…

「人口の半分が死ぬ」「世界は終焉」地球温暖化対策を著名専門家が批判! 一体なぜ…

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 米国では現在、地球温暖化対策として「グリーン・ニューディール」政策が注目を集めている。再生可能エネルギーなどに投資し、産業の脱化石燃料を推し進め、温室効果ガスの排出を10年以内にゼロにするといった環境への配慮を強調した内容で、民主党の史上最年少女性議員アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)氏などを旗振り役に、リベラル派を中心に活発な議論が行われている。しかし、これまでに発表された政策内容は漠然としており、非現実的だといった批判も強い。野党・民主党が上院に提出した決議案はこの3月に否決されたものの、今後も大きな争点の一つとなるだろうと見られている。

 そんな中、カナダの有名な環境コンサルタントのパトリック・ムーア氏は、米「Fox News」に出演し、グリーン・ニューディールで「人口の半分が死ぬ」「文明は終焉する」などと衝撃的な批判を繰り広げている。ムーア氏は世界的に有名な環境保護団体「グリーンピース」でかつてはカナダ事務局長を務めていた人物であるが、科学的事実に対する考え方の相違や意見の対立などにより、同団体と袂を分かったことで知られている。

 グリーン・ニューディールでは、産業の脱化石燃料化とクリーンエネルギーや再生可能エネルギーといった、温室効果ガスを排出しない技術へ公共投資するとし、また同時に、都市部の送電網を刷新し、省エネや災害対策も進めようとしている。農業、工業、運輸などの分野において温室効果ガスの排出を大きく削減しようという野心的な試みであり、もし成功したならば社会に大きな変革をもたらすことは間違いない。

 だが、そのような目論見は絵に描いた餅でしかないというのがムーア氏の主張である。AOCをはじめとするグリーン・ニューディール推進派が言うように、10年以内に火力発電や原子力発電を廃止しようとすれば、生活を支える基盤が崩壊し、人口が半分に減るような危機が訪れるというのである。

「化石燃料を使わずに80億人分の食料を生産し、必要な食料を都市に配達する方法などありません。それには大型トラックが欠かせませんが、40トンの食料品をスーパーマーケットに届けられるような電気トラックはまだありません」(ムーア氏)

 ムーア氏の指摘するように、化石燃料は工業だけでなく、農業から運輸まで現代社会のありとあらゆる場所で使われている。化石燃料に頼る飛行機が使えなくなるなど、ムーア氏は「狂気の沙汰」であると強く批判する。さらに、化石燃料を使わなければ短期間のうちに農業生産が激減し、世界各地の都市で大飢饉が起こり、最悪の場合「人口の半分が死ぬ」といい、「文明の終焉をもたらす」と警告したのである。

 ムーア氏は科学的なものの見方を重視し、曰く「過激化し、政治的になった」グリーンピースと一線を引いた。その後は原子力エネルギー推進派に転じ、モンサント社の農薬グリホサートを擁護するなど、「変節漢」とも批判される人物である。とはいえ、「科学を重視する」という彼の意見は傾聴に値するだろう。

 米国では一部の陰謀論者がムーア氏の主張を受け、「民主党はアメリカを破壊し、ひいては人類の文明を崩壊させようとしている」と息巻いている。グリーン・ニューディールも地球温暖化ビジネスの一環に過ぎないということなのだろうか? 陰謀論的にも気になるテーマではあるが、科学的事実に基づいた冷静な議論を期待したい。